空間映像の試み
そこで、他の方法で空間に映像を投影する方法が試みられている。IO2テクノロジー社(米・カリフォルニア州)は、ヘリオディスプレー(Heliodisplay)というものを開発した。これはまさに、何もないところに浮いているように画像を投影できる空間ディスプレイである。プロジェクター上方の水蒸気と空気を調節することで、色々な種類の映像をカラーで投影できるという。この空気がスクリーンの役目をするのだ。
この技術はマサチューセッツ工科大学(MIT)の大学院生が考案したものである。画像は前からも後ろからも見ることができ、手や指といった空間インターフェースを使って画像を操作することも出来る。
霧の透明スクリーンへの映像
フォグスクリーン社(フィンランド)は、空気の変わりに霧(水の粒子)で出来た透明スクリーンを空中に設ける技術を開発した。空気を薄い層状に流し、その間に薄い霧を作りスクリーンとするものである。このスクリーンは空気の層で守られているため、物体がスクリーンを通り抜けても画像は乱れないようだ。
当面は、美術館、ショールーム、ショッピングモールなどでの活用が考えられている。これらはまだ二次元の映像であるが、将来はテレビ電話などで家族の映像が、スター・ウォーズのレイア姫のように、目の前に浮かんで見えるようになりそうだ。
東芝の新型立体ディスプレイ
このような中にあって東芝は、「第1回・国際フラットパネルディスプレイ展」(2005年4月東京ビッグサイト開催)において新型立体ディスプレイの展示を行った。これは次ページのような内容だ。