初めての女性肖像画
偽造防止の考え方をもとに肖像画も変更され、新千円札は夏目漱石から細菌学者の野口英世へ、新5千円札は新戸部稲造から女性小説家の樋口一葉になった。「日本銀行券」の表の肖像画としては初めて女性が登場である。1万円札の福沢諭吉は現行のままでありデザインが変更となった。裏側の図柄も変更され、1万円札が現在のキジから、京都府宇治市の平等院の鳳凰像になった。5千円札は富士山から尾形光琳の燕子花図に、千円札が丹頂鶴から富士山と桜になった。
世界初の偽造防止技術
偽札防止には世界初の新技術が採用されている。1.ホログラム
角度を変えると色や模様が変わる。“桜の模様”“額面金額”“日本銀行の日を図案化したマーク”が確認できる。1万円、5千円に採用される。
2.すき入れバーパターン
光に透かすと3本の縦棒が見える。従来の透かしよりも、パソコンやカラーコピー機等での再現が難しくなっている。
3.潜像模様
お札を傾けると表面に“額面金額”や裏面に“NIPPON”の文字が浮かび上がる。
4.パールインキ
お札を傾けると、左右の余白部にピンク色を帯びたパール光沢のある、半透明の模様が浮び上がる。
5.マイクロ文字
“NIPPON GINKO”と書かれた小さな文字が印刷されている。地紋(細かい曲線などで画かれたお札の地模様)にも大小の文字がデザインされている。
6.特殊発光インキ
表の印章に紫外線をあてるとオレンジ色に光る。地紋の一部も黄色に発光する。これは暗いところでハッキリ確認できるようになる。
7.深凹版印刷
インキが従来よりも表面に盛り上がるように印刷される。
8.識別マーク
深凹版印刷によるマークの印刷。目の不自由な人が指で識別できるように配慮している。
そして次ページのような経済効果への期待もある。