ミシュランガイドの歴史とは?
ミシュランガイドを発行するのは世界的なタイヤメーカーのミシュラン。果たしてなぜタイヤメーカーがレストランガイドを発行するのか? |
でも、なぜタイヤメーカーがレストランのガイドブックを発行するのでしょうか?
その理由を紐解くためにミシュランガイドの歴史を振り返ってみることにしましょう。
初めてミシュランガイドブックが発行されたのは、パリ万博が開催された1900年。当時、広がり始めたドライブの習慣をより安全で楽しいものにするためにミシュランはガイドブックを発行することを思いつきました。当初のガイドブックはレストランの紹介だけでなく、ホテルや休憩のためのガソリンスタンド、そして当時としてはまだまだ数が少なかった自動車修理工場の紹介などドライバーが快適にドライブ生活を送るための総合情報誌でした。
当初はレストランの紹介も星でランク分けするものではなく、現在のようなスタイルが生まれたのは1930年代以降。次のような基準でレストランの格付けを行うようになりました。
三つ星・・・そのために旅行する価値がある卓越した料理
二つ星・・・遠回りしてでも訪れる価値がある素晴らしい料理
一つ星・・・そのカテゴリーで特に美味しい料理
もともと、ガイドブックを発行することで自動車による旅行を促し、タイヤの消費向上を目論んでいたということですから、“そのために旅行する価値がある”や“遠回りしてでも訪れる価値がある”などの基準がいかにもタイヤメーカーの発想になっているところがミシュランガイドブックのユニークなところです。
非常に歴史のあるミシュランガイドブックですが、その累計発行部数は世界100カ国で3000万部を超えるというベストセラー。しかも、100年を超える伝統あるガイドブックだけにフランスでは最も権威のあるガイドブックの一つであり、その影響力は三つ星レストランに選ばれるとマスコミの注目を浴び、お客の予約が殺到することでも知られています。
2005年には初めてヨーロッパ大陸以外に進出し、ニューヨーク版とサンフランシスコ版が発行されました。そして、今回アジアでは初めてとなる東京版が発行されるに到ったというわけです。
このように伝統と権威のあるミシュランガイドブック。格付けされるだけでお客が殺到するという効果がありますが、次のページではこのミシュランガイドブックのビジネスに対する影響をマーケティング心理学の面から検証していくことにします。
なぜ、ミシュランガイドブックに取り上げられるとお客が殺到するようになるのか?その理由は次ページで!