新製品の価格戦略:スキミングプライシング
スキミングプライシングは高い価格で早期に開発資金の回収を図る。 |
それがスキミングプライシングと呼ばれるものです。
スキミングプライシングとは上層吸収価格戦略とも呼ばれ、新製品の発売時に相対的に高い価格を設定する戦略です。高めの価格を設定することによって、当初から大幅な利益を計上し、早期に新製品の開発コストを回収することを目指していきます。製品のライフサイクルにおいて、新製品の導入期はイノベーターやオピニオンリーダーなど価格にそれほどこだわらない消費者層がターゲットとなりますので、これら初期購入者層向けに高い価格で新製品を提供して初期投資の回収を図り、製品のライフサイクルが進むに従って価格の引き下げを行い、より大衆向けに消費の拡大を図る戦略です。
このスキミングプライシングは競合他社に対して、自社製品の差別化が図れている場合、つまり競争がゆるやかなマーケットの場合や価格の高低に需要が左右されない場合に有効に機能する戦略と言えます。
次世代DVDはその開発コストとして莫大な資金を投入しているので、企業側の本音とすれば、導入期である現在はイノベーターやオピニオンリーダーをターゲット顧客として高い価格設定で早めに開発コストを回収したいところでしょう。ところが、市場の競争原理がスキミングプライシングを許さず、戦略的に低価格機をいきなり投入せざるを得ないと言ったところではないでしょうか。
それではこれら新製品の価格設定戦略を踏まえて次のページでは今後の次世代DVD市場の展開についてキャズム理論の観点から占ってみることにします。
果たして今後次世代DVD戦争はどのような展開になるのか?次ページへお進み下さい!