社長の露出
社長の雑誌や新聞、テレビなどメディアへの露出もブランディングには有効に作用する! |
このように社長や会社関係者が率先してメディアに露出してブランド力を高めていく手法は他の企業でも使われています。たとえば、ジャパネットたかたの高田社長。同社の行うテレビショッピングでは社長自ら出演し、企業の広告塔として活躍しています。また、社長以外でもセガは1998年に発売したドリームキャストというゲーム機をプロモーションする際に当時専務であった湯川氏をテレビコマーシャルに起用。自社の危機を自虐的に扱ったCMで話題となり、湯川専務効果でドリームキャストは順調な滑り出しを見せました。
記憶に残る存在
商品は知ってもらった後に消費者の記憶に残らなければいけません。その点、男前豆腐店の提供する商品はどれも記憶に残る変わったネーミングです。『風に吹かれて豆腐屋ジョニー』などは一度その名を店頭で見かけると忘れようがありません。加えてパッケージも店頭で一際異彩を放っています。豆腐といえば四角のパッケージが多い中、『風に吹かれて豆腐屋ジョニー』はサーフボードのような大振りな楕円形のパッケージ。価格も300円と100円前後の価格帯が多い豆腐の中で突出しており、消費者にとっては一度店頭で見かけると気になる存在になるのは当然のことと言えるでしょう。
“楽しさ”というコンセプトを売る
伊藤社長が真にお客に提供したいのは“豆腐”という商品だけではなく“楽しさ”というコンセプトではないでしょうか。同社のホームページを訪れると豆腐店とは思えない斬新さがあります。男前豆腐店のストーリー設定からテーマソングまで男前豆腐という商品を中心に実にお客が楽しめる要素が満載です。“男前豆腐”と言う商品はその“楽しさ”というコンセプトの一つの要素に過ぎないのです。
同社のホームページによれば、男前豆腐店とはニューヨークの地下に潜んで豆腐を製造し、豆腐を全世界に広めようと画策している秘密結社。誰も顔を見たことが無いボスの“ドン”を頂点として“オサム”、“お嬢”、“タモツ”の3人が日夜、豆腐を世界に広めるべく活動しています。そんな彼らがピンチに陥った時に風のようにどこからともなく現われ、さりげなくピンチを救ったと思えば、風のように去っていくのが謎の男“ジョニー”。
男前豆腐のファンの中にはそのようなストーリーを連想し、楽しみながら豆腐を食している人も多いのではないでしょうか。人というものは楽しいこと、ワクワクすることがあれば、他の人に伝えたくなるのが心情です。そのような気持ちはブログという新たな時代のテクノロジーを介して人から人に伝わり、爆発的に認知度がアップしていく要因にもなりました。
ブランド確立の最も重要なこととは?次ページで更にブランド確立の秘訣に迫ります!