マーケティング/マーケティング事例

男前豆腐に学ぶ短期でブランドを確立する法

『風に吹かれて豆腐屋ジョニー』など奇抜なネーミングとこれまでの豆腐とは一線を画す味覚で急速に豆腐界のブランドとなった男前豆腐。短期間で頂点を極めたブランディング戦略とは?その秘密に迫ります!

安部 徹也

執筆者:安部 徹也

マーケティング戦略を学ぶガイド

短期間でブランドを確立した男前豆腐って?

『風に吹かれて豆腐屋ジョニー』
本にもなった伝説の豆腐『風に吹かれて豆腐屋ジョニー』をあなたは知っているだろうか?
『風に吹かれて豆腐屋ジョニー』

そんなフレーズを聞いてみなさんはどのようなものを想像するでしょうか?一見、歌のタイトルのようなこのフレーズ。実は豆腐の商品名というから驚きです。この一風変わった商品名の豆腐を製造しているのは京都に本社を構える男前豆腐店。もともと茨城で男前豆腐を生産していた三和豆友食品のグループ会社として分離し、2005年3月に設立されたまだ創業1年ほどの新興企業です。社長を務める伊藤信吾氏は1968年生まれの若手社長。若さとアイデアを武器にこれまで保守的だった豆腐業界の風雲児として様々な試みを続けています。

男前豆腐店が注目されるのはやはりそのユニークなネーミング。前出の『風に吹かれて豆腐屋ジョニー』を始め、会社名の由来ともなった『男前豆腐』、茶大豆を原料に使った茶色い豆腐『Johnny Brown』やがんも専用のおいしい豆乳で手間をかけて作った『がんも番長』、とっても濃いトロトロの豆乳『豆乳ロケンロール』など実に変わったネーミングの商品ばかりを提供しています。

取扱商品も豆腐関連のものだけでなく、男前豆腐のロゴをあしらった前掛けやノリノリTシャツ、資金繰りパーカー、酒場のペンダントトップ、更には男前豆腐店のテーマソングを収録したCDに至るまで同社のホームページを訪れると多種多彩なグッズを購入することができます。

このようなユニークさが話題になり、2006年5月にはバンダイから男前豆腐店の豆腐製品がミニチュアフィギュア化され、カプセル玩具自動販売機、俗に言う“ガシャポン”で発売開始。また、今月には講談社より男前豆腐店の成功の秘訣を伊藤社長が明かした『風に吹かれて豆腐屋ジョニー 実録男前豆腐店』が出版されるなど、短期間で『男前豆腐』というブランドを確立してきました。果たしてなぜ短期間で『男前豆腐』はブランドを確立することができたのか?今回はその秘密に迫っていきたいと思います。

次ページで男前豆腐店のブランド戦略の一端が明らかに!
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