メモの役割、認識してる? |
今回は、自他ともに認める「メモ魔」の私が、メモの効用について前後編にわけてお話します。
信頼感を与える
先日、このような経験がありました。初対面の二人の若者に同じ業務の指示を出しました。それほど込み入った内容ではありませんでしたが、A君はメモを取り、B君は取っていませんでした。
話の快活さや表情の豊かさなどの第一印象では、B君の印象の方が上でしたが、 A君の逐一メモを取る様子からも同等の好印象を得ました。二人の業務の結果はどうだったでしょうか。実は、同じでした。
しかし、ここで忘れてはいけない点は、メモを取る姿を相手に見せることで、相手からの信頼感を高めることができるということです。私自身がメモ魔ですので、メモを取ることを研修中でもかなり力を入れて奨励しています。自分が指示を出す際、メモを取らない人、取る姿勢を見せない人を見ると不安になります。
第一印象においては、快活さや表情の豊かさは大きなアドバンテージになります。しかし、ビジネスの目的が通常は、「長期における信頼の獲得と取引の継続」であることを考えると、メモを取ることでも相手からの信頼を得ることができることは忘れたくないですね。
皆さんの営業のシーンでも同じことが起こりうるのではないでしょうか。
もし、あなたの差別化の難しい商品を取り扱っている場合は、なおさらです。あなたの細かい対応と信頼の積み重ねで差別化を打ち出し、お客様を安心させてあげましょう。その一つの手段として、メモをとる、メモをとる姿を見せることも含まれるのです。
「A社とB社も似たような商品だからとりあえずA社で」ではなく、「同じ注文するなら○○さんのA社」と思わせてあげることは、お客様の満足度あげることなのです。
さて、冒頭のエピソードには、後日談があります。 後日、彼らに業務内容の簡単なレポートを提出させたところ、メモを取っていたA君のレポートの質は、メモを取っていなかったB君を、明らかに上回っていたのです。
もちろん、目の前でメモを取ったことがレポートの成果に直結したとは言えません。しかし、次回の仕事の依頼がどちらかにしかできないとしたら、親近感よりも信頼感を重視し、メモを取るA君に頼むことでしょう。
メモ上手とメモ下手の違いとメモの重要性については、「軽視してない?メモの効用(後編)」でお話しします。