■ 商談履歴管理
見込客との商談履歴(日時、面談者、商談内容など)をデータベースで管理する。営業担当者は、商談履歴を参照しながら情報を整理し、以後の戦略を考えることができる。また、数多くの見込客を抱えても、商談の履歴を参照することで、商談前に復習することができる。
他の営業担当者の商談履歴は、活きた事例として活用できる。成功事例や失敗事例を参考にしたり、似たような案件の事例からヒントを得たりすることで、自分だけの知恵では考えつかないような提案も可能になるのである。
商談の履歴は、担当者が替わるときにも有効である。前任者のナレッジ(知識)がデータベースに蓄積されているため、後任者はすべての情報を引き継ぐことができる。たった数枚の引継ぎ書での引継ぎでは、多くのナレッジが失われてしまう。
■ 営業プロセス管理
標準的な営業プロセス(アプローチから成約までの流れを、段階式に表現したもの)を定義する。また、各ステップごとに注意事項やチェックポイントを定義しておけば、商談を進めるときのガイドラインになる。
商談履歴を記録するときは、その商談が営業プロセスのどのステップに対応するのかを合わせて記録する。商談の進捗が具体的に分かれば、限られたリソース(商談時間など)を、効率よく(成約確度が高い順に)割り当てることができるようになる。成約確度が高い順にリソースを割り当てることで、成約率を最大化することが可能になる。
■ 販売履歴管理
顧客の購入履歴(購入日時、購入商品、数量、金額など)を管理する。購入履歴を把握しておけば、関連商品・上位商品の提案や、リース切れ商品のリプレース提案の機会を見出すことができる。
また、購入履歴から優良顧客を特定し、手厚いサービスを提供することが可能になる。優良顧客との良好な関係を維持できれば、生涯価値を最大化することができる。
■ クレーム履歴管理
顧客からのクレーム内容と、その対応履歴を管理する。クレーム対応の良し悪しは、顧客満足度に直接関わる大切な要素である。同様のクレームが発生した場合は、過去の対応履歴を参考にすることで、迅速に処理することができる。
また、クレーム履歴を分析することで、クレームの多い商品やサービスを特定し、改善することが可能になる。ときには、クレームから新しい商品やサービスが生まれる場合もある。
■ グループウェア機能
グループウェアとは、コンピュータネットワークを利用して、グループ内での情報共有やコミュニケーションを支援するソフトウェアのこと。代表的な機能としては、電子メール、電子掲示板、ドキュメント管理、ワークフロー管理、スケジュール管理などがある。直接的なSFAの機能ではないが、SFAを実現する基盤としてグループウェアの機能が必要となる。
■ 商品情報管理
商品カタログに載っているような商品仕様などの情報や、在庫や納期などの情報を管理する。営業担当者は、提案や発注に必要な商品情報を、条件を指定して検索することができる。
■ 文書作成支援
提案書や見積書などの文書作成を支援する。また、作成した文書を共有し、再利用を促進する。提案書や見積書などの文書は、1から作成するよりも、類似案件のものを元にして作成したほうが、効率がよい。
複数の商品やサービスで構成される複合商品の場合、その構成を支援する機能もある。あらかじめ登録済みのテンプレートを流用することも可能である。
■ まとめ
SFAは、情報システムの中でも導入が難しいシステムだ。なぜなら、会計システムや販売システムなどと違って、人間が主役のシステムだからだ。SFAのシステムを導入しただけでは、何も変わらない。言い方を変えれば、SFAを生かすも殺すも使う人間次第なのだ。
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