営業のノウハウ/営業の提案書作成のコツ

お客さんに顔を覚えてもらえる資料とは

「お客さんが、どうも会社の看板ばかりを見て、なかなか自分のことを見てくれない」そんなお悩みの解決に役立つ、資料つくりの方法をお伝えします。

西野 浩輝

執筆者:西野 浩輝

営業ノウハウガイド

大手企業のある若い営業マンからこんな相談を受けました。聞けば、「お客さんがなかなか自分のことを見てくれない。どうも会社の看板ばかりを見て、私をいち個人として扱ってくれない」とのこと。

会社の代表としての営業マン、いち個人としての営業マン、そのバランスについては色々とあります。でも、やはり「あなたからだから買ったんですよ」とお客さんに言われるくらい、いち個人として信頼を得られれば、売れ方も違ってきますよね。

その若い営業マンには「初回訪問の際に、会社が用意して言る会社案内や商品パンフレットだけでなく、キミ自身が作ったオリジナルの資料を持参してみては?」とアドバイスしました。

オリジナル資料の効用

私の経験から言って、このオリジナル資料というのはなかなか使い勝手がよいのです。まず、見せた時点で「おぉっ?!」と小さな反応がある。そうなればしめたもの。さらに資料をベースにして色々と話ができれば、かなりイニシアティブをとって話を進められます。

自分が作った資料に沿っているのだから、当然ですよね。会話の中でも『あなた自身』を主張しやすくなりますよ。例えばこんな風に言えば、違和感もないでしょう。

「私は○○と思うんです。そのあたりが資料のココのところに反映しているんですよ」
「資料のここのところ、もう少し説明させてくださいね。以前私が経験したことなのですが―ー」

どうでしょう? 資料を拠り所にしながら自分の主張や体験を織り交ぜるというスタイルは、自己主張が苦手な営業マンにはおすすめですよ。ハードルが低いから。

私の事例と成功のミニポイント

私が前職で営業マンをしていた際(企業研修の営業マンをしていました)は、研修の他社導入事例を作ったりしていました。

最初、お客さんの反応がよいのは「お客さんというのは事例が好きなんだな」くらいの理由だと思っていたのですが、色々回っているとどうやらそうでもない模様。

あるとき、お客さんに「西野さんは色々な事例をご覧になっているから、目が肥えてらっしゃるんですね~」と言われて、気づきました。お客さんの視点がかなり私自身にフォーカスされていることに。

このようにうまくいった1つのポイントは、そのオリジナル資料自体に『自分独自の視点からのポイント解説』を1つ入れていたことだと思っています。それは、差しさわりのないものでなく、トンガったもので。

あと、細かいところで言えば、作る資料は手作り感があるほうが良いようです。
あんまりピチッとしすぎると、会社から支給している資料と間違えられかねませんし。

私の知人の営業マンは、自分のオリジナル資料に押す専用に、似顔絵スタンプを作成していました。こういうチャメっ気も、お客さんが受け入れてくれそうだと思ったら、やっても良いでしょう(こういうのは、思っている以上に受け入れられるものですよ)。

>> では、具体的にどんな資料を作ればよいのか?次ページで

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