勉強不足とお客に思われないために

仕事柄私は、これまでいろいろな営業マンと接してきたのですが、「もっと本を読めばいいのに」と思う人が少なくありません。「それって業界の常識でしょう」とか「誰でも知っているはずなのに」というようなことを、知らなかったりするんですね。

私がそう感じるってことは、お客さんの中にも「この営業マンは勉強不足だな」と感じている人がいるはずです。営業マンはお客さんから信頼されてナンボの仕事。やっぱり本は読んでおいた方がいいですよね。

もちろんだからといって作家や評論家のように、週に何冊も読む必要はありません。まずは営業に直接役立ちそうな本からチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

そこで私がオススメしたいのが業界系列本です。書店に行くと「業界地図がわかる本」とか「図解業界系列」といったタイトルの本が置いてあります。中を開くと、さまざまな業界の特徴や状況が書かれています。これが営業をするときに、かなり活用できるのです。

今回は、この業界系列本の活用法を紹介しましょう。

興味のあるところから拾い読みをしよう

業界系列本では、各業界の状況を章ごとに分けて解説しています。小説ではないのですから、第1章から読む必要はありません。目次にざっと目を通して、興味のある業界から読み始めましょう。

たとえばあなたが食品業界の会社との取り引きが多かったとします。それならまずは食品業界のページをめくってみます。すると食品業界全体の動きがわかるだけではなく、「へえ、キリンって三菱グループなんだ」とか、「カルピスって味の素の完全子会社になったんだ」というふうに、個別企業についてもいろんな発見があるはずです。この手の本は図解も充実していますから、それを眺めるだけでもたくさんの情報を得ることができます。

新規営業の切り口にする

業界系列本を読んでいるうちに、「あっ、うちのクライアントのA社って、○○グループの企業系列なんだ」ということに気づいたとします。これは新規営業のチャンスです。○○グループの他の会社に電話して、「同じ企業グループのA社さまとも取り引きがありまして……」と切り出せば、アポイントをとれる確率がぐんと上がります。

アポの確率が上がるのは、やっぱり何の縁もない営業マンからいきなり電話がかかってくるのとは親近感が違うし、「うちの企業グループの社風や事情を、よく知ってくれている営業マンかも知れないな」と思ってもらえるものだからです。だからお得意先が属している企業グループがわかったら、さっそくその企業グループの関連会社をリストアップしてアタックしてみてください。

本は漫然と読むのではなく、どうやったらそれを営業に活かせるかを考えながら読むことが大事です。そうすれば「△△業界は、自分が取り引きが多い××業界と状況が似ているみたいだから、うちの商品を提案したら興味を示してくれるかも」というふうに、仕事に結びつく切り口が見えてくるはずです。