緻密な進行の内容を解析
進行について、簡単に解説しましょう。
<先生はいない。互いが互いから学び取る>
一般の話し方教室とトーストマスターズの一番の差はここでしょう。先生がいない。全員が同等の立場で、教え・教えられるのです。この進行方法は、人によって合う・合わないが出てくるでしょうね。
「まだ、基礎の基礎もわかっていないから、まずはインプットしたい」と思う方には、物足りない可能性もあります。反面、「たくさん実践したい!」とか「与えられるのではなく、積極的に自分から学び取りたい」という方には、よりマッチするでしょう。
<役割が各自に与えられる>
例会が始まると、最初に「役割説明」の時間となります。参加者が事前にそれぞれ役割が与えられていて、その役割についての説明の時間なわけです。
たとえば、「えーとカウンター」という役割。これは、話し手がスピーチ中に「あ~」とか「え~」とか、不要な言葉を言った回数を数えておいて、それを例会の最後にフィードバックする役割。このフィードバックを受けることで、「自分は気づかないうちに、こんなにあーとか言っていたんだ」と気づけるわけです。
こういう役割が、色々あるわけですね。
<即興スピーチと準備スピーチがある>
スピーチには、テーブルトピックと呼ばれる即興スピーチと、事前にスピーチの内容を用意してきて本番に挑む準備スピーチがあります。
当然ながら、即興でのスピーチのほうが難易度が高く、準備スピーチのほうがクオリティが高い。その両方がトレーニングできるというのが、非常によいところですね。実際のビジネスで使おうと思うと、片方では不十分なのですよね。
<スピーチへのアドバイスプレゼンテーションがある>
準備スピーチを3名前後がおこない終わると、次に「論評」の時間になります。
論評の役割に当たっている方が、それぞれの話し手のスピーチに対して、アドバイスプレゼンテーションを行うわけです。そのスピーチのどういうところが優れていたか、そしてどういうところに改善点があるか。そんなことを、アドバイスするのです。
この「論評」があるおかげで、話し手は自分のスピーチを客観的に判断でき、それ以外の人たちも「なるほど、そういう観点でスピーチを分析すればよいのだ」という勉強になります。
この「論評」こそがトーストマスターズの肝だと、私は感じています。