コーチング/人材育成・組織作り

部下が6月病になったら、上司はどうする?(2ページ目)

昔は学生の5月病、今は社会人の6月病。あなたの部下は6月病になってやる気をなくしていませんか? でも、励ましてやる気を出させようとしてしても逆効果です。6月病の対処のコツを紹介します。

宇都出 雅巳

宇都出 雅巳

コーチング・マネジメント ガイド

大学時代から速読教室に通い始め、10を超える速読法を学び、行政書士、宅建、公認会計士試験など、試験勉強で実践研究を重ねる。その中で記憶術も実践。また、20年以上にわたりプロフェッショナル・コーチとして経験を重ねる。その経験に認知科学の知見を加えた独自の学習法・成長法を確立し伝えている。著書は25冊以上。

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「べき」「ねば」は危険信号

6月病の部下の語る言葉をよく聴いてみてください。特に、「□□すべきだ」とか「△△せねばならない」といった言葉がないか耳を傾けてみましょう。

「頼まれた仕事は何よりも優先すべきだ」
「やり方は自分で考えださねばならない」
「人間関係は大事にすべきだ」
「何でも仕事は楽しまなければならない」

部下の話をよく聴いてみると、明確に言葉となっているどうかはともかく、このように部下が知らず知らずのうちに持っている信念や思い込みがわかってきます。誰しもその人なり価値観やこだわり、ルールを持っていますから、何らかの信念・思い込みがあるのは当たり前のことです。ただ、問題なのは、そこにはまり込んで、苦しいのにもかかわらず抜け出せないことです。

「頼まれた仕事は何よりも優先すべきだ」をはじめ、どれも悪いものではありませんが、「べき」「ねば」となることで、本人を縛って窮屈にしています。これが本人を苦しませて、6月病を発生させるのです。

「~たい」気持ちに変えるには

部下が持っている信念・思い込みに気づいたら、部下に「□□すべきだ、と思っていないか?」と投げかけてみましょう。こうして投げかけられることで、自分が知らず知らずに持っていた信念・思い込みを自覚するだけでも、部下は少し楽になるものです。

また、上司が投げかけると、「頼まれた仕事は何よりも優先するのは当然じゃないですか!」と反発する部下もいます。こんな部下はあまりにも思い込みと一体化していて、苦しくなっていても手放せなくなっているのです。こんな場合は、「その信念や思い込みを持って仕事を続けたらどうなっていく?」と質問してみましょう。そうすると、部下はそれが自分自身が苦しめていることが自覚できるようになり、その信念や思い込みと距離をおいて楽になります。

こうやって楽になると、「べき」「ねば」が「たい」に変わり始めます。

「頼まれた仕事は何よりも優先したい」
「やり方は自分で考え出したい」
「人間関係は大事にしたい」
「何でも仕事は楽しみたい」

これまで苦しませていたものが、逆にやる気を引き出すものに変わっていくのです。部下を励ます前に、まずは部下の言葉によく耳を傾けてみましょう!

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