コーチング/人材育成・組織作り

リーダーは一人称で語り、一人で歩き始める(2ページ目)

職場や会社のリーダーになるにはどうすればいいのでしょう?実はリーダーはなろうと思ってなれるものではありません。「結果としてリーダーになる」ものなのです。できるのは「自らのリーダーになる」ことです。

宇都出 雅巳

宇都出 雅巳

コーチング・マネジメント ガイド

大学時代から速読教室に通い始め、10を超える速読法を学び、行政書士、宅建、公認会計士試験など、試験勉強で実践研究を重ねる。その中で記憶術も実践。また、20年以上にわたりプロフェッショナル・コーチとして経験を重ねる。その経験に認知科学の知見を加えた独自の学習法・成長法を確立し伝えている。著書は25冊以上。

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「内なる声」を聴く

「リーダーシップとは、私たち一人一人が自分の生き方、仰々しく言えば、生き様を問うことだ。」と語る異色のリーダーシップ本
それでは、どうすれば、「リード・ザ・セルフ」、つまり自分をリードできるのでしょう? 何が自分を駆り立て、力の源になるのでしょうか?

その第一歩は次のような問いを自分自身に深く問いかけ、自分なりに納得感のある答えを得ることです。

「自分がどんな存在なのか?」
「自分は何のために生きるのか?」
「自分とは一体何者なのか?」


コーチングはリーダーシップ開発に有効であると言われますが、それはコーチに問いかけられる中で自分の価値観を知ったり、存在意義を明確にしたりすることが、リーダーシップの旅へと進ませるからでしょう。

「リーダーは内なる声(inner voice)を聴く」

もし、あなたがリーダーを目指すのであれば、まずは自分自身に問いかけることから始めてみてはどうでしょう? そして、自分の内から聴こえてくる声に耳を傾け、その声に少しずつでも従って生きてみることです。

本気ですれば誰かがついてくる

あなたが一人で一歩ずつ歩き始めたとき、その姿に引かれて一人また一人と付いてくる。つまり、「フォロワー」が出てくる。そして、あなたがだんだんとリーダーになっていくのです。

「本当に何かを望んだとき、宇宙のすべてが協力して、夢の実現を助けてくれる」

ISLの野田さんが引用するのは小説
『アルケミスト』の一節。「リード・ザ・セルフ」が「リード・ザ・ピープル」に移る瞬間です。ここでのキーワードは「本当に」。違う言葉で言うと「本気」です。

本気ですれば
大抵のことができる
本気ですれば
何でも面白い
本気でしていると
誰かが助けてくれる


これは、脱原発運動の中心的存在であった高木仁三郎さんがその著書・『市民科学者として生きる』(岩波新書)で紹介しているものです。高木さんは、科学者としての立場から原子力発電に疑問を抱き、大学を辞めて一人で原子力情報資料室を立ち上げて、脱原発運動のリーダーとなった人です。

あなたはどれだけあなたの夢を本当に望んでいるでしょう? どれだけ本気でそれをしているでしょう? 

社会運動のリーダーだけでなく、ビジネスにおけるリーダーも、松下幸之助しかり、稲盛和夫しかり、「リード・ザ・セルフ」から「リード・ザ・ピープル」の段階を踏んで成長しています。

自分を深く見つめ、自分の内から聴こえてくる声に従って一歩前に進んでみましょう。そしてゆっくりでも、本当に本気で進んでいくあなたに、誰かがついて来てくれるのです。

【参考書籍】
■『リーダーシップの旅――見えないものを見る』(野田智義・金井壽宏著 光文社新書)
■『市民科学者として生きる』(高木仁三郎著 岩波新書)

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