「内なる声」を聴く
「リーダーシップとは、私たち一人一人が自分の生き方、仰々しく言えば、生き様を問うことだ。」と語る異色のリーダーシップ本 |
その第一歩は次のような問いを自分自身に深く問いかけ、自分なりに納得感のある答えを得ることです。
「自分がどんな存在なのか?」
「自分は何のために生きるのか?」
「自分とは一体何者なのか?」
コーチングはリーダーシップ開発に有効であると言われますが、それはコーチに問いかけられる中で自分の価値観を知ったり、存在意義を明確にしたりすることが、リーダーシップの旅へと進ませるからでしょう。
「リーダーは内なる声(inner voice)を聴く」
もし、あなたがリーダーを目指すのであれば、まずは自分自身に問いかけることから始めてみてはどうでしょう? そして、自分の内から聴こえてくる声に耳を傾け、その声に少しずつでも従って生きてみることです。
本気ですれば誰かがついてくる
あなたが一人で一歩ずつ歩き始めたとき、その姿に引かれて一人また一人と付いてくる。つまり、「フォロワー」が出てくる。そして、あなたがだんだんとリーダーになっていくのです。「本当に何かを望んだとき、宇宙のすべてが協力して、夢の実現を助けてくれる」
ISLの野田さんが引用するのは小説『アルケミスト』の一節。「リード・ザ・セルフ」が「リード・ザ・ピープル」に移る瞬間です。ここでのキーワードは「本当に」。違う言葉で言うと「本気」です。
本気ですれば
大抵のことができる
本気ですれば
何でも面白い
本気でしていると
誰かが助けてくれる
これは、脱原発運動の中心的存在であった高木仁三郎さんがその著書・『市民科学者として生きる』(岩波新書)で紹介しているものです。高木さんは、科学者としての立場から原子力発電に疑問を抱き、大学を辞めて一人で原子力情報資料室を立ち上げて、脱原発運動のリーダーとなった人です。
あなたはどれだけあなたの夢を本当に望んでいるでしょう? どれだけ本気でそれをしているでしょう?
社会運動のリーダーだけでなく、ビジネスにおけるリーダーも、松下幸之助しかり、稲盛和夫しかり、「リード・ザ・セルフ」から「リード・ザ・ピープル」の段階を踏んで成長しています。
自分を深く見つめ、自分の内から聴こえてくる声に従って一歩前に進んでみましょう。そしてゆっくりでも、本当に本気で進んでいくあなたに、誰かがついて来てくれるのです。
【参考書籍】
■『リーダーシップの旅――見えないものを見る』(野田智義・金井壽宏著 光文社新書)
■『市民科学者として生きる』(高木仁三郎著 岩波新書)
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