「部下を叱れません」。こんな上司がどんどん増えています。部下に心地のよいことだけを言うことが上司の仕事ではありません。どうすれば叱れるのか? 自然と部下を上手に叱るための観察ポイントをお伝えします。
《CONTENTS》●あなたは部下を叱れますか?(1P目)●叱るレベルを明確にする(1P目)●具体的には何を叱るのでしょう?(2P目)●まずは部下をしっかり観察すること(2P目)
あなたは部下を叱れますか?
「部下を叱れないんです」
こんな悩みを持つ上司が増えています。あなたはいかがですか?
従来の指示・命令型マネジメントから、相手から引き出していくコーチング型・マネジメントへ変わりつつある中、部下を「叱る」ことを躊躇してしまうのは当然かもしれません。
しかし、部下のできていないところ、不十分なところを上司としてしっかりと指摘することは大事です。そして、言いにくいことであっても、正直に伝え合う本音の関係こそがコーチングの関係です。
「叱る」を勘違いして、感情的になって自分の不満を部下にぶつけることはくれぐれもしないでください。ただ部下を怒鳴り散らしても何の効果もありません。逆にバカにされて部下は離れていってしまいます。
うまく叱ることができれば、そこからも相手の可能性を引き出すことができるのです。今回から2回にわたって、相手の可能性を引き出す「叱り方」のポイントをお伝えします。
叱るレベルを明確にする
「お前なんかダメだ」
なかなか営業成績が上がらない部下に対して、上司がこんなふうに言いました。部下はどう思うでしょう? この一言で力が引き出されるでしょうか? おそらく反発するか、気落ちするかのどちらかでしょう。
そもそも部下は人としてダメなのでしょうか? わかっているのは、営業成績という結果がダメなことだけです。でもこのように、部下の全人格を否定するような叱り方をしてしまうことが少なくありません。
下の図をご覧ください。人を成り立たせている要素をモデル化したものです。あなたが叱ろうと思っている部下を思い浮かべてみてください。
参考:NLP University ロバート・ディルツのニューロロジカルレベル |
あなたは部下のどのレベルのことを叱ろうとしているのでしょう?
部下の環境・結果レベルですか? 行動レベルですか? 能力レベルですか? 信念・価値観レベルですか? それとも人そのものですか?
まずは部下のどのレベルについて叱るのか、明確にしておくことが重要です。
これで自然に叱れるようになる! 次ページへ>>