相手の話を聴いていたのに、気づいたら自分が相手の話を奪って話していた……。そんな“会話泥棒”をついついやってしまっていませんか? そこから足を洗う方法を教えます!
“会話泥棒”を直したい!
6つの聴く技術を紹介しています |
私が行っている「聴き方講座」に次のような悩みを抱えた女性が参加されました。
「私、“会話泥棒”なんです。相手の話を聴こうと思っているのですが、気がつくといつの間にか自分が話しているんです。なんとかしたいのですが……」
相手の話が自分の知っていること、興味のあることだと、ついつい自分が話し始めてしまうことはありませんか? ふと気がつくと、相手が憮然とした表情をしていて、初めて自分がやってしまったことに気づく。
多かれ少なかれ、だれでもこんな経験があるのではないでしょうか?
この会話泥棒という“ビョーキ”はなかなかの難病です。というのも、相手の話を盗まずに、ちゃんと聴こうと思えば思うほど、なぜか盗みたくなり、最後にはちゃっかりと盗んでしまうからです。
このビョーキはいったいなぜ起こるのでしょう? どうしたら直せるのでしょう?
「意識の矢印」は自分に向いていませんか?
ポイントは「意識の矢印」。自分の意識が相手に向いているか、自分に向いているかが、「会話泥棒」になってしまうかどうかの大きな分かれ目になります。
下の図をご覧ください。人と人がコミュニケーションするときの様子を、言葉と人が持つ体験・記憶との関係から描いたものです。
相手の話を聴くと、人はまずそれを自分の知識や体験と照らし合わせます。意識が自分自身に向くとうことは、いたって普通のことです。ただし、これが強すぎると、自分の知識・体験が蘇り、ついつい相手の話を奪って自分の話をしてしまうというわけです。
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