話し手と聴き手を明確に分ける
話しながら自分を探る |
1)メンバー同士で2人組を作ります
参加メンバーに、隣同士などで2人組を作ってもらいます。奇数の場合は、上司のあなた自身も入って、1人になるメンバーが出ないようにしましょう。
2)話し手・聴き手を決める
2人のうち、1人を話し手、もう1人を聴き手として、役割を決めます。2人で自由に話し合うのではなく、明確に話し手と聴き手に分かれて、話し手が集中して話すことで効果が高まります。目安としては、話し手と聴き手の話している割合が9:1ぐらいになるようにします
3)話し手・聴き手の役割を明確にする
話し手はとにかくテーマについて思っていること、考えていることを自由に話します。大事なのは、聴き手です。
聴き手で大事なのは、とにかく「相手の話を受け入れる」こと。自分の意見とは反する意見が出たとしても、「この人はそう思っているんだ」といったん受け止めて聴いていくことです。
目に見える聴くカタチとしては、「相づち」と「うなづき」です。また、質問としては、「ほかにありませんか?」「それで?」「それから?」といった、相手の発言を促す質問だけを基本的に行います。くれぐれも、気がついたら、聴き役の人が話し手になっていたことがないようにしましょう。
話すうちに自分の考えに気づいていく
あとは3分でも5分でも、適当な時間を決めて、交互に話す・聴くを行います。だれかが自分の話をただ聴いてくれるというのは、多くの人にとって心地よい体験です。普段の生活を振り返ってみてください。仕事ではもちろん、家庭でも友人とでも、相手がただ聴いてくれることはほとんどないものです。最初はなかなか言葉が出ない人でも、だんだんと言葉が出てきます。
どんな部下でも、上司の話に対して、何らかの反応が起こっています。何も意見がないわけではなく、それが明確に言葉になっていないだけです。最初はまとまっていなくても、ちゃんとした文章になっていなくても、それを少しずつ口に出していくなかで、だんだんと自分の考えが整理したり、何を考えているかに気づいていきます。
あとは、2人組で話したことを全員に共有してもらうだけです。ほんの10分ほどの時間を余計に使うだけで、会議が活性化していきます。いったん会議の場で話すことが当たり前になると、それまで発言を牽制しあって静かだった会議の雰囲気が変わります。その変化した場の雰囲気が、さらに発言を引き出していって、会議は大きく変わり始めるでしょう。
これによって、チームメンバー間のコミュニケーションも深まるほか、コーチングの基礎である「聴く」訓練にもつながります。また、「聴いてもらう」立場を体験することで、お客様に対してももっと聴こうという気持ちにつながってきます。
ぜひ、今度の会議、ミーティングで試してみてください。
【参考図書】
■『会議革命』 齋藤孝著、 PHP文庫)
【関連サイト】
■「会議やデートで戦ったり、我慢して疲れていませんか?―迎合せず対抗しない男の質問術」
■「これであなたも部下の話がさらに聴けるようになります―コーチングに必要な1枚の白紙」
■「上司の悩み」解決シリーズ1―「部下に意見したい」病を治す!」
■「会議を効率的・効果的に運営する」