今も根強い人気を誇る坂本龍馬。薩長同盟の成立をはじめ、幕末の歴史を大きく動かしたほか、日本最初の商社を設立するなどビジネスの世界でも活躍した人物です。現代のビジネスでこそ、龍馬のような人間が求められています。龍馬の思考・行動パターンを学び、ビジネスでデキる・女性にモテる男を探ります。
《CONTENTS》
●幕末の「モテ男」・坂本龍馬(1P目)●あの“大西郷”も驚いたスケールの大きさ(1P目)●日立と松下、三井と住友が手を組む時代(2P目)●デキる男は“龍馬”である(2P目)●一つ突き抜けていた龍馬の思考法(3P目)●「一段上からは? 一歩先には? 一回り大きくしたら?」(3P目)●「遠くをボォーと眺める」龍馬のポーズを取る (4P目)●日本初のハネムーン。女性にモテた龍馬の気配り(4P目) 幕末の「モテ男」・坂本龍馬
遠くを眺める龍馬の心は? |
場所は太平洋を臨む四国・高知の桂浜。
そこには遠く、海を眺めて立つ一人の男の銅像があります。
その男の名前は坂本龍馬。
幕末の日本において、薩摩藩と長州藩が手を結んだ薩長同盟の成立、徳川幕府が朝廷に政権を返上した大政奉還などの大きな転機にかかわった人物として知られています。
司馬遼太郎の小説・『竜馬がゆく』などの小説や映画・テレビドラマの主人公となり、その死後100年以上たった今も、龍馬は多くの男たち、女たちから愛されています。日本を代表する「モテ男」の一人と言っていいでしょう。
その人気の秘密は龍馬のスケールの大きさ。その発想の大きさは今の日本人でも驚くほどです。そして、その龍馬の「夢想」ともいえる発想が混乱を極めていた幕末日本を切り開く大きな力となったのです。
あの“大西郷”も驚いたスケールの大きさ
龍馬が初めて歴史の表舞台に登場したのは薩長同盟の締結。
傾きかけていた幕府に対抗するために、長州藩と薩摩藩の二大勢力の手を結ばせようというこの試みは、両藩の面子もあって困難を極めました。龍馬は、同じく土佐藩の土方楠左衛門、中岡慎太郎らとともに奔走し、ようやく京都において長州の木戸孝允、薩摩の西郷隆盛との会見が実現しました。
しかし、この期におよんでも、長年のいがみ合いのわだかまりから、両藩は牽制しあっていました。この状況に対して、業を煮やした龍馬は薩摩の西郷に対して、こう言ったといわれています。
「この薩長同盟は、薩摩や長州といった一藩の問題ではない。これは日本全体の問題である」
まだまだ藩の意識が強かった当時、「日本全体」という視点はほとんどなかったものでした。この言葉に対してあの西郷は心を大きく動かされ、薩摩から長州に同盟を申し込み、薩長同盟が成立したのです。
この薩長同盟が契機となって、江戸幕府は急速に追い込まれ、大政奉還、王政復古の大号令、明治維新へとつながっていきます。土方楠左衛門、中岡慎太郎らの地道な努力、さらには大きな時代の流れがあったのは確かですが、龍馬のスケールの大きさが時代を動かしたといっても過言ではないでしょう。
そして、あれから100年以上経った現代の日本のビジネス社会において、この龍馬のような人間がますます必要とされてきています。
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