コーチング/人材育成・組織作り

部下の話を黙って聴いていてはいけません 単なる“いい上司”ではダメ!

「余裕があったらコーチングするけれど」という管理職もいますが、余裕がない時こそコーチングです。「コーチング」=黙って話を聴くことと思っていませんか? それは大きな間違いですよ。

宇都出 雅巳

執筆者:宇都出 雅巳

コーチング・マネジメントガイド


「余裕があったらコーチングするけれど」という管理職もいますが、余裕がない時こそコーチングです。「コーチング」=黙って話を聴くことと思っていませんか? それは大きな間違いですよ。

《CONTENTS》余裕ができたらコーチング?(1P目)“黙って聴く”ことの弊害(1P目)迷わず中断し、核心を聴いていく(2P目)ナイスな関係ではなく、リアルな関係を目指す。(3P目)

余裕ができたらコーチング?

「コーチングと言ったって、部下の話を聴く余裕なんてないですよ」

「理想としてはわかるけれど、忙しいこの時期に部下の言うことなんて聴いていられない」

部下の話を我慢して聴いていると…
「コーチング」というと、こんな反応が返ってくることがよくあります。あなたは、どう思いますか? 「そうそう」とうなづいているかもしれませんね。でも実は、余裕がないからこそ、忙しいからこそ、コーチングなんです。コーチングとは短い時間のなかで質の濃い話をすることが可能な方法だからです。

もしかして、コーチング=黙って聴く、なんて思っていませんか?

“黙って聴く”ことの弊害

確かにコミュニケーション研修などでは、「相手の話は最後まで聴きましょう」と伝えられます。

これまで自分が一方的に話していて、部下にほとんど話をさせていなかった上司の人にとっては、「とにかく最後まで聴こう」ということは意味があります。“ガス抜き”となって、部下の不満を一時的に解消するのには役立つかもしれません。でも、それ以上でも以下でもありません。

また、逆効果の場合もあります。無理に我慢して聴いているので、部下の話が終わるや否や、今度は部下に一方的に仕返しとばかりに話し始めるからです。おまけに、我慢して聴いているときは、聴いているようで聴いていません。

「またこいつはこんなことを言っている」
「いいかげんに早く話終わらないか」

などと思いながら聴いているときに、聴いているのは部下の話ではなく、自分の声だからです。コーチングにおいて「聴く」はとても大事ですが、ただ黙って聴くことではありません。

実はコーチングにおいて、相手の話を“中断”することはとても大事なスキルなんです。
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