「余裕があったらコーチングするけれど」という管理職もいますが、余裕がない時こそコーチングです。「コーチング」=黙って話を聴くことと思っていませんか? それは大きな間違いですよ。
《CONTENTS》余裕ができたらコーチング?(1P目)“黙って聴く”ことの弊害(1P目)迷わず中断し、核心を聴いていく(2P目)ナイスな関係ではなく、リアルな関係を目指す。(3P目)
余裕ができたらコーチング?
「コーチングと言ったって、部下の話を聴く余裕なんてないですよ」「理想としてはわかるけれど、忙しいこの時期に部下の言うことなんて聴いていられない」
部下の話を我慢して聴いていると… |
もしかして、コーチング=黙って聴く、なんて思っていませんか?
“黙って聴く”ことの弊害
確かにコミュニケーション研修などでは、「相手の話は最後まで聴きましょう」と伝えられます。これまで自分が一方的に話していて、部下にほとんど話をさせていなかった上司の人にとっては、「とにかく最後まで聴こう」ということは意味があります。“ガス抜き”となって、部下の不満を一時的に解消するのには役立つかもしれません。でも、それ以上でも以下でもありません。
また、逆効果の場合もあります。無理に我慢して聴いているので、部下の話が終わるや否や、今度は部下に一方的に仕返しとばかりに話し始めるからです。おまけに、我慢して聴いているときは、聴いているようで聴いていません。
「またこいつはこんなことを言っている」
「いいかげんに早く話終わらないか」
などと思いながら聴いているときに、聴いているのは部下の話ではなく、自分の声だからです。コーチングにおいて「聴く」はとても大事ですが、ただ黙って聴くことではありません。
実はコーチングにおいて、相手の話を“中断”することはとても大事なスキルなんです。