コーチング/信頼関係作り

部下を“モノ”扱いする本は避けましょう! コーチング本を選ぶ3つの視点(2ページ目)

「コーチングについて勉強するぞ!」と、コーチング本を本屋に探しに行ってみたあなた。あまりの種類の多さに迷っていませんか? あなたがコーチング本を選ぶときに、知っておいてほしいポイントをご紹介します。

宇都出 雅巳

執筆者:宇都出 雅巳

コーチング・マネジメントガイド

視点1:「聞く」・「質問」だけで終わっていないか?

コーチングというと、多くの人が思い浮かべるのは「聞く」「質問」という言葉ではないでしょうか? 私が書いた記事でも、「聞く」ことの重要性、「質問」のパワーについては、繰り返し触れています。

例:■「コーチングの基本を知ろう!3――「質問」のパワーを活用する」

部下の話をただ黙って聞く。確かにこれだけでも大きな違いが生まれます。これまでの人生、日頃の生活のなかで、自分の話をただ聞いてもらった体験なんてほとんどないでしょう。さらに、うなづいたり、部下の目を見たりして、気持ちよく話してもらえば、部下は悪い気はしないでしょう。

部下に「もし、今目指している目標が達成したらどう?」と質問する。質問された部下は否応もなく、目標が達成した状況に意識が向き、その状況を思い浮かべて、やる気が出すかもしれません。また、「仕事で何を大切にしているの?」と部下に質問する。質問された部下は、「自分は仕事で何を大切にしているんだろう?」と自分に意識を向けて、自分の仕事のやりがいを見出すかもしれません。

多くのコーチング本では、こういった「部下に話をさせる」「部下に質問する」やり方を解説したものが数多くあります。「こう振舞えば、部下の話を聞いているふりができる」「こんな質問をすると、部下のやる気を引き出したり、部下を動かしたりすることができる」。これが間違っているわけではありません。でも、これだけでは十分ではありません。

「聞く」「質問」がパワフルであるだけに、それをちゃんと使わないと部下の可能性を引き出すどころか、使い方によっては部下との関係をダメにしてしまう可能性があるからです。このため、「うなづきましょう」「相づちを打ちましょう」といった目に見えるテクニックを中心にした本や、質問集のたぐいの本は、わかりやすくはありますが、外しました

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