近年になって発生した大地震
2016年の熊本地震、2011年の東日本大震災、1995年の阪神淡路大震災と、近年では大きな地震の発生が続いています。1995年の阪神淡路大震災の建物被害は全壊約10万棟、2011年の東日本大震災による建物被害は全壊約12万棟で、東日本大震災の方が大規模なものになりました。東日本大震災は、地震の揺れというよりも、津波によるもの、火災による被害が多かったようです。
これから日本と世界で起きた過去の大地震と建物の被害状況を振り返り、後半では現在のマンションの耐震性はどのくらいか確認しておきたいと思います。
2008年 岩手・宮城内陸地震
2008年5月に中国・四川省大地震が起こった翌月、日本国内でも岩手・宮城内陸地震が発生しました(2008年6月)。気象庁の発表によると、震源は岩手県内陸南部で深さ約8km、マグネチュード7.2。岩手県奥州市と宮城県栗原市で震度6強、宮城県大崎市で震度6弱を観測したほか、東北地方を中心に、北海道から関東・中部地方にかけて震度5強~1を観測しました。家屋の被害状況は全壊28棟、半壊98棟、一部破損1,380棟。
このように地下の浅いところで起きる地震は「直下型地震」と呼ばれます。1995年1月の阪神淡路大震災や2007年7月の新潟中越沖地震も同じタイプで、このような地震は日本全国、いつどこで起こっても不思議ではないと言われています。
2007年 新潟県中越沖地震
2007年7月に発生した新潟県中越沖地震は新潟県上中越沖を震源とし、深さ約17km、マグネチュード6.8。長岡市、柏崎市などで震度6強、上越市、小千谷市などで震度6弱、三条市、十日町市などで震度5強を観測しました。家屋の被害状況は全壊1,319棟、半壊5,621棟、一部破損35,070棟でした(いずれも消防庁発表)。
1995年 阪神淡路大震災
1995年1月に発生した阪神淡路大震災の震源地は淡路島で深さ16km、マグネチュード7.3。神戸市須磨区、長田区大橋などで震度7を観測したほか神戸、州本で震度6、京都、彦根、豊岡で震度5を観測しました。家屋の被害状況は全壊104,906棟、半壊144,274棟、一部破損390,506棟となっています。
近年日本で起きた大地震
近年日本で起きた大地震をまとめた一覧表を下記に挙げます。1923年の関東大震災がマグネチュード7.9、2003年の十勝沖地震が同8.0ですから、マグネチュード9.0を記録した東日本大震災がいかに大きな地震であったかがわかります。近年世界で起きた大地震
一方、世界でも大地震が起こっています。下記に近年世界で起きた大地震の一覧を載せます。日本にも津波がきた1960年のチリ地震がマグネチュード9.5、2004年のスマトラ沖地震が同9.3、1964年のアラスカ地震が同9.2と記録されています。いずれも大きな津波被害を出しています。
岩手・宮城内陸地震で家屋の被害が少なかった原因
1995年の阪神淡路大震災、2007年の新潟県中越沖地震と比較すると、2008年の岩手・宮城内陸地震の家屋被害の状況ははるかに少ないことが分かります。新聞報道では、その原因について、地震の専門家による下記の見解を載せています。- 揺れの周期が1秒以下と非常に短く、中低層の一般的な建物に被害を与える周期1~2秒の「キラ―パルス」と呼ばれる地震波が強く見られなかった
- 雪が積もりにくい鉄板製の屋根が多く、瓦屋根に比べて軽い屋根構造が多いこと、開口部が小さいなど雪国ならではの構造が地震に強かったのではないか
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