高級マンション/高級マンショントレンド

中途半端な資産価値の視点が失敗を招く(2ページ目)

昨今のマンションの購入動機は、まるでバブル時代の財テクブームを彷彿とさせる。同じ二の舞にならないよう、心がけたい物件選びの視点をまとめてみた。

坂根 康裕

執筆者:坂根 康裕

高級マンションガイド

長年のデフレを経ても、「広尾ガーデンヒルズ」のように分譲当時に比べ値上がりをしているマンションもあるが、このような不動産には2つの共通項がある。

共通項1:街の魅力が増すエリア

再開発の影響は表参道ヒルズが実証済
再開発がもたらす影響は六本木ヒルズや表参道ヒルズが実証済
ひとつ目は、街全体の魅力が増すケース。再開発が典型であるが、住、働、食、遊が完結(または近接)する新しい街は何はともあれ、便利この上ない。

目的別にゾーニングされていれば、雑踏の中で暮らすというイメージもない。常に変化し、活気が失われず誰もが住みやすい街。そんな街は資産性が期待できると言えるだろう。

とはいえ、注意すべき点もある。それは、再開発が一様に良いわけではないということ。魅力的な施設と実際の利用が伴わなければ賑わいは続かない。一時の再生では意味がなく、単に新しくなりさえすればそれで良いというわけではないのだ。

実際、魅力的な店舗もなくオープン当初の話題だけに留まったケースも珍しくない。そのような場所の路線価は、期待上昇はするが、オープンの翌年には決まって下落している。

共通項2:永続的住まいの要素の充足

永住ニーズの高いマンションは、内部の住み替え希望が多く、需要が高止まりする要因になっている
二つ目は、誰もが住んでみたいと思うほど住まいとしての魅力が高いこと。専有部の居住性、周囲の環境、コミュニティーの意識の高さなど、永続的な住まいの要素を満たしている住宅こそ価値が高い。

「ここで長く住みたい」という気持ちが、暮らしやすい環境と良好なコミュニティーを培うモチベーションになり、「誰もが住んでみたい」と思うほどのステイタスが、高い需要を生み出す。

資産価値の下がらないマンションを選びたいなら、まずあなたが長く住みたいと思うような、友人知人が羨むような、物件を手に入れること。自分が住まずして貸すことを第一に考えているようでは、本当に価値の高い住まいは手に入らないのではないだろうか。

【関連記事】
「未来のヴィンテージマンション」になる3つの条件
「広尾ガーデンヒルズ」の最新事情<前編>

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