高級マンション/高級マンショントレンド

実は世界一?日本の高級マンション

かつてはウサギ小屋と揶揄された日本のマイホーム。バブル崩壊、都心回帰、超高層マンションラッシュなどを経た今、そのレベルは世界基準で見た場合、果たしてどんなポジションにあるのだろうか。

坂根 康裕

執筆者:坂根 康裕

高級マンションガイド

美しい街並みを求めて海外へ

とある大手旅行代理店の話では、経済的、時間的にも余裕のあるシニアカップルに今一番人気のあるツアーは“ヨーロッパ8日間の旅”だそうだ。理由は日本では見られない「街並みの美しさ」にあるらしい。

たしかに豊かな自然や神社・仏閣を除けば、日本の街並み(とくに都市)は混沌といった表現がぴったりなほど統一感がなく、景観として決して誇らしいものではない。

住みたい街として上位にランクされる広尾駅前のワンショット。ランダムな建物の色、形。これこそがTOKYOの魅力という声もあるが……


これはなにもオフィス街に限ったことではなく、住宅街の抱えるテーマでもあるだろう。そもそも高さ制限や日影規制が前提となる日本の建物は、セットバックなど不規則な形状になりやすい。それでなくとも地震多発国ゆえ、すんぐりとしたビルやマンションが多いところに法規制が追い打ちをかける。電信柱も美観を損ねる大きな要因だ。

規制と高い土地代がネック

重厚感のある外観、専有部の広さが突出したマンション「ドムス」。邸宅系集合住宅として羨望を浴びた同シリーズもバブル崩壊後、その供給が止まった
さらに住宅に焦点をあてれば、かつてはウサギ小屋と揶揄された持ち家の狭さも見逃せない。

面積だけでなく、天井の高さも不満に思っている顧客は少なくないはずだ。

都心では10(テン)フィートを確保した高級マンションが一部供給されているがまだまだ少数派である。

こうした現状は、規制と土地代の高さが本質的なネックと思われるが、景観も含めた日本の住宅事情はまだまだ世界基準に程遠いのだろうか。次ページへ。
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