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資産価値のセオリーと『青山パークタワー』(2ページ目)

都心の代表的なタワーマンション「青山パークタワー」。周囲には高層建築物も少なく、渋谷駅5分とは思えない閑静な環境。300戸規模ながら規模の利益を凝縮したその魅力の源泉を探ってみた。

坂根 康裕

執筆者:坂根 康裕

高級マンションガイド

タワーマンションに、もしプロポーションという概念があるとしたら。縦横幅のすべてにおいて「青山パークタワー」は“バランスが良い”と思うのだが……


不況でも下がりにくく、好転すればより高く

そもそも資産は「換金性」と「収益性」、2つの視点で算段すべきである。これは、現金に換えやすいか、収益をどれだけあげられるかだが、例えば土地付き建物などは道路付けや境界確認、建物価値の見方、解体費用の考慮など交渉に要しそうな材料も多く、(分筆などすればさらに)手続きにも時間がかかるケースが少なくない。

かたや区分所有(マンション)は取引対象の範囲がわかりやすく、同じマンション内で売買事例があれば参考ラインも決めやすい。したがって、売却がスムーズに行われる可能性が高い。「換金性ならマンションが有利」との見方は、おおむねそのようなところからくるものと思われる。

収益性とは「売りやすいか」「貸しやすいか」に尽きる。買い希望が多ければ売却希望価格も強気に設定できるし、貸しやすい物件であれば居住用だけでなく、収益用不動産として転用もきく。

総戸数が少なければ、共用施設に大きな期待は持てない。かといって多ければ多いなりの管理面での課題も少なくないだろう。「青山パークタワー」314戸という数字は、ひとつの理想的な規模感なのだろうか


買い手と借り手。目の前にいるわけではない、あくまで想定上の相手に、その価値を認めてもらってはじめて成り立つ。言い換えれば、見も知らぬ他人の尺度を掌握していなければならないところが、資産価値の高い物件を選ぶことの難しさといえよう。

容易ではないが、その見極めができさえすれば、デフレの時代にも価値が下がりにくく、逆に景気が上向けば真っ先に上昇トレンドに乗るような、そんな物件を手に入れることができるだろう。キャピタルゲインさえも十分に期待できる物件に出会えるかもしれない。

次のページでは、現状のマンションにおいてあてはめたときに、たとえばどの物件が候補に挙がるかを考えてみた。
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