景観に華やぎを
敷地のまわりにどんな植栽を施しているか。それ次第で、家の印象はずいぶんと変わったものになる。道路際まで建物が迫り、少しの草花さえ植える余裕のない家はどことなく冷たさが漂う。かたや、ここに家があったのか、というほどの緑に囲まれた姿を見ると、街並みに気遣う住み手の思いが伝わってくるようである。また建物は時間の経過とともに古くなるが、樹木は違う。日々成長を重ねる木々は街に彩りを添え、ときにその家や街のシンボルにもなっていく。したがってスケール感のあるマンションはなおのこと、その植栽の出来栄えが街の景観に少なからず影響を与えるのである。
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「池田山プレイス」(左手前、品川区、分譲:三菱地所)伝統ある邸宅街に溶け込めるよう配慮したのだろうか。限られたスペースにマンションでは珍しい松を含め、多くの樹種を用い、道並みに自然な緑の連続性を実現した |
ところで一概に植栽といっても、どこに何を植えるかは目的によって異なるものだ。歩行者の目線なら、目隠しの意味合いが濃くなるし、接道部分では街並みの環境創造を考慮したいところ。
高級マンションともなれば、道行く人が和むようなゆとりと季節感を創出した好例も多い。新緑の季節に実例集としてここに紹介しよう。物件選びの参考にもなればと思う。
まずは、「フォレセーヌ麻布永坂」から。