住宅購入の費用・税金/住宅購入の税金

登録免許税を正しく理解しよう!(3ページ目)

住宅を購入して引き渡しを受けるのと同時に登記の申請をしますが、そのときに必要となるのが登録免許税です。住宅購入時の登録免許税について、しっかりと理解しておきましょう。(2018年改訂版、初出:2005年4月)

執筆者:平野 雅之


登録免許税の課税標準は?

税額のもととなる課税標準額は、各市町村役場(東京23区の場合は都税事務所)の固定資産課税台帳に登録された土地または建物の価格であり、登記申請の際にはそれぞれの評価証明書を添付します。ただし、抵当権等の設定登記の場合はその債権金額が課税標準額となります。

購入した住宅の土地権利が借地権の場合、それが賃借権であれば通常は土地に関する登記を伴いませんので、当然ながら土地に関して登録免許税はかかりません。一方、それが地上権の場合には地上権の移転登記が必要となり、所有権の移転登記とは異なる税率が規定されています。

また、借地権の底地が登記の対象となる場合には更地のときと同じ課税標準額となりますが、その土地に地上権が設定されている場合には登録価格の50%が課税標準額とされます。

マンションの場合で敷地権の登記がされているとき、土地の権利(所有権の共有持分など)についてはそれぞれの買主名義による保存登記、移転登記などが省略されます。しかし、登記は省略されてもその分の登録免許税が免除されるわけではありません。

なお、毎年4月1日を境として評価証明書の表示年度が変更されるため、登記申請が1月1日から3月31日までの場合には前年の登録価格、4月1日から12月31日までの場合にはその年の登録価格(ただし、価格の基準日は1月1日)が利用されることになります。

固定資産課税台帳に価格が登録されていない土地について登記を申請する際には、近傍の類似土地価格を基礎にして課税標準額が認定されるほか、公衆用道路となっている土地(新たに私道が築造され、まだ価格が付されていない場合など)については近傍宅地価格の30%(2003年3月以前は50%)に相当する価格を認定基準とすること(東京法務局管内の場合)なども定められています。

ただし、近傍に類似する土地がない場合には、法務局から当該市町村に依頼して固定資産税評価額に準じた価格の評価をさせることにもなっています。

また、建物の増築、改築、損壊あるいは土地の用途変更などを伴う場合などで、一定の方式による価格認定が不適当と認められるときには、それぞれの事情を考慮して登記官が価格を認定することになります。

ちなみに、登録免許税法の本来の規定では、課税標準額は登記申請時における不動産の価格(時価)とされていますが、実際にはこれが困難なため、登録免許税法の附則により「固定資産課税台帳に登録された価格によることができる」とされ、実務上はこちらが通例となっています。


新築建物の場合には?

新築された建物には、当然ながら固定資産課税台帳に価格が登録されていません。

そのため、新築建物について(価格が登録される以前に)所有権保存登記や所有権移転登記を申請する場合、それぞれの法務局、地方法務局ごとに定められた「新築建物課税標準価格認定基準表」をもとにして課税標準額が決定されます。

新築建物課税標準価格認定基準表

また、築後年数を経過した未登記建物の保存登記を行なう場合や評価証明書と登記記録の面積が異なる場合などで、基準表に定める額によることが適当でないと認められるときには、「建物経年補正率基準表」(法務局、地方法務局により異なる)を用いて価格が補正されます。


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