町家でパスタ

外観。 閏。
場所は西洞院通御池上ルにあります。 看板が出ている町家が目印。
洛中の中でも一番賑やかで、京都人も観光客も集まって来るのが四条通・河原町通・御池通・烏丸通に囲まれた「歴史的都心地区」。もちろん、このエリアには観光客から見た「京都らしいお店」が詰まっていますが、実はこの四角いエリアから少し外れたところのほうが「地元民度」、つまり普段着のほんまもんの京都に出会える確率が高まります。

「京都らしいお店」といえばすぐに思い浮かぶのが、ここ数年で増えている「町家レストラン」。実際のところ、先祖から受け継いだ町家を個人がこまめに手入れして維持するのは、手間と費用において並大抵のことではありません。風情ある京町家がひとつ、また一つと取り壊されて更地やマンションに変わって行く現実には危機感を感じずにはいられませんが、その流れを食い止めて、保存に一役買ってくれているのが、実は「町家レストラン」なのです。

町家のリノベーション法としては2種類あって、ひとつは外観だけ保存して中身は完全にモダンあるいクラシックな洋風インテリアに変えてしまうというやり方、もうひとつは外観はもちろん中身もできるだけ古き佳き町家の雰囲気を残して再生させようというやり方です。後者にはとりわけ大変なご苦労があると思いますが、今日ご紹介するのは、100年の歴史ある町家を後者のやり方で見事に再生させた、町家リストランテ。和洋のいいとこ取りをしたい! という欲張り心をこの上なく満たしてくれる一軒です。


シェフ。 内装。
シェフの水谷健太さん。 二階がメインダイニングとなっています。
Dining+Cafe&Bar 閏(うるう)」と名付けられたそのお店は、閏年の2008年に「歴史的都心地区」からは北西にちょっと離れた「西洞院御池上る」に開店して、今年でちょうど2年目。シェフはフリウリ州とローマで修行された水谷健太さんが務められています。1階はバーと軽食、町家の雰囲気を色濃く残す2階は、仕切りを取り払ってゆったりとしたダイニングスペースとなっており、2階の西側は町家の床の間をそのまま残したテーブル席。 西洞院通に面した東側は、通りの方を向いて見下ろす二人掛けのソファー席が設えられていて、その一画だけまるで切り取られたように貸切同然のくつろぎ感が味わえます。

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