綺羅星に輝いた総数、273軒!

夜景

大阪・淀屋橋の夜景

前年同様、第一印象としては「今や関西のレストランシーンは世界に誇れるレベルにある」ということ。東京一極集中型の首都圏とは違い、関西はそれぞれのレベルと層の厚さ、そこから生まれる多彩さが魅力ですし、今や関西のレストランシーンは、星の総数をもってしても、世界中にその勢いと個性の強さを見せつけてくれています。

世界中、どこを探してもこれだけ☆に溢れた美食都市郡は他にないでしょうし、食材の豊富さも含めて考えれば今や真の美食王国は関西だと言っても過言ではないと思います。

しかし、ここ数年は美食シーンにおいて不安要素もいくつか出てきました。それは経済情勢。リーマンショック以後、ヨーロッパのユーロ経済危機を始め、世界的な不景気が進行しています。

日本でも製薬系会社の接待禁止は高額外食シーンにとて大きなダメージでしょうし、他にも一部大手企業は大赤字決算でリストラが続き、経費で会食どころではない状況なのではないでしょうか。さらには長期的なデフレや非正規雇用者の増加、若者の消費節約モード等々もあり、今後の日本や世界の経済情勢を考えれば、高級店を取り巻く環境はさらに厳しい状況になっていくはずです。

それゆえに、こういう時代だからこそ高級レストランを世界に発信してくれるミシュランガイドの存在価値は大きいのです。日本の美食シーンの多種多様性や素晴らしい魅力の数々を国内外に向けて発信(紹介)してくれているのですからね。

もはや単なる格付け本ではなく、高級店の発展・維持に貢献してくれていると考えれば、このガイドブックの価値は相当高いものだと言えます。ミシュラン日本版に対して賛否両論があるのは分かりますが、数年前と今では経済情勢が違います。少なくともミシュランガイドが日本の外食シーンを盛り上げてくれていることには違いありません。

一皿

「和ごころ泉」から芸術的な一皿

とはいえ、私は美食文化の力を信じています。世界中の料理人たちが延々と繋いで発展させ続けてきた美食文化が「不景気」などに負けるわけがありません。ミシュランガイドだけではなく、私も超微力ながら関西の美食シーンに貢献し続けたいと思っていますし、今後も関西のグルメシーンが全国・全世界から注目され盛り上がり、一層の活性化に繋がることを心から願っています。

そして、最後に一言。
前回、前々回にも書きましたが、本当の三ツ星は、皆さんの愛する店の数だけあります。

影響力のあるガイド本がどういう評価を下したとしても、自分の愛する店、料理を大事にし続けてくださいませ。

本当の意味で、レストランが星の数に関係なく光輝き続けられるのは、純粋に店を愛することのできる「お客様」である皆さんあってのこと。レストランは女性と同じ。愛されるほどに輝きます。

また、レストラン側も、星の数よりも、目の前にいる「お客様」を星の数よりも大切な存在として、リスペクトしていってほしいですね。

三ツ星を目指したり、利益を出すことも大事かもしれませんが、不景気の今、大変な時期だからこそ、「お客様を幸せにする」という、レストランにとって最も大事なことを見失わないでいただきたいな、と思うのです。

料理は人、お客様も人。人と人の関係が生み出す喜びには、星の数なんかいくらあっても足りません。「出会い」こそ、人生における最高に贅沢な「ごちそう」なのですから。

ま、何はともあれ。エトワールを獲得した料理人さん・シェフの皆さん、心からおめでとうございます! そして外食好きの皆さん、これからも美味しく幸せな食べ歩きを続けていきましょう!

☆書籍データ
タイトル: ミシュランガイド京都・大阪・神戸・奈良2013
発売日: 2012年10月19日(金)
価 格: 日本語版 定価2400円+税、(税込2520円)
発 行: 日本ミシュランタイヤ株式会社

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