暮らしの歳時記/夏の行事・楽しみ方(6~8月)

【2023年】梅雨入り・梅雨明けの時期はいつ?入梅との違いや新平年値、梅仕事・湿気対策に役立つ知恵も紹介

2023年の「梅雨入り」はいつ? 「入梅(にゅうばい)」との違いは? 2021年に10年ぶりに変更された梅雨入り・梅雨明けの平年値、暦の上での入梅(雑節)、梅仕事や湿気対策など梅雨に役立つおばあちゃんの知恵も紹介します。

三浦 康子

執筆者:三浦 康子

暮らしの歳時記ガイド

2023年の梅雨入り予想は平年より早い傾向

梅雨は春から夏へと移る時期にみられる季節現象。数千キロにわたる梅雨前線が少しずつ北上し、1~2か月の長雨をもたらします

梅雨とは、春から夏へと移る時期にみられる季節現象で、数千キロにわたる梅雨前線が少しずつ北上し、1~2カ月の長雨をもたらします。2023年の梅雨入り、梅雨明けはいつ?

2023年も梅雨の季節を迎えました。すでに、沖縄・奄美では5月18日に梅雨入りしています。いずれも平年日より遅い梅雨入りです。
 
この先、気になるのは各地の梅雨入り。日本気象協会が5月25日に発表した「梅雨入り予想」によると、九州から関東甲信では平年よりも早く梅雨入りし、北陸や東北では平年並みとなる見込みです。
 
【2023年梅雨入り予想】日本気象協会 <5月25日発表>
  • 九州南部……5月30日ごろ(平年並み)
  • 九州北部……5月30日ごろ(平年より早い)
  • 四国……5月30日ごろ(平年より早い)
  • 中国……5月30日ごろ(平年より早い)
  • 近畿……5月30日ごろ(平年より早い)
  • 東海……5月30日ごろ(平年より早い)
  • 関東甲信……5月30日ごろ(平年より早い)
  • 北陸……6月11日ごろ(平年並み)
  • 東北南部……6月12日ごろ(平年並み)
  • 東北北部……6月15日ごろ(平年並み)

梅雨入り・梅雨明けの時期はいつ? 新しい平年値

各地の梅雨入り・梅雨明けを発表している気象庁では、30年間の平均値をもって平年値を出し、10年ごとに更新しています。2021年5月19日から新しい平年値に更新されたので、2031年まではこの平年値が使用されます。
梅雨入り・梅雨明けの平年値

梅雨入り・梅雨明けの平年値

平年値には、梅雨入り・梅雨明け以外にその時々の気象(気温、降水量、日照時間等)や天候(冷夏、暖冬、少雨、多雨等)、桜やかえでなどの生物季節観測、台風発生数などがあります。

新平年値では、旧平年値と比べ、年平均気温が全国的に0.1℃~0.5℃程度高くなったり、降水量が季節によって多くの地点で10%程度多くなったりしていますが、梅雨入り・梅雨明けの時期については、大きな変化はありません。

■梅雨入りと梅雨明けの速報は気象庁のホームページで確認できます。 ■昔ながらのアマガエルの雨予報についてはこちらをどうぞ。

「梅雨入り」と「入梅(にゅうばい)」ってどう違うの?

梅雨は日本(北海道と小笠原諸島を除く)だけでなく、中国や韓国など東アジアの地域にみられます。北海道でも、俗に「蝦夷梅雨」と呼ばれるものがありますが、それは梅雨前線のしわざではなく長続きもしないため、梅雨には入りません

梅雨は日本(北海道と小笠原諸島を除く)だけでなく、中国や韓国など東アジアの地域にみられます。北海道でも、俗に「蝦夷梅雨」と呼ばれるものがありますが、それは梅雨前線のしわざではなく長続きもしないため、梅雨には入りません

「梅雨入り」と似た言葉に「入梅(にゅうばい)」がありますが、いったいどう違うのでしょう? いわゆる「梅雨入り」は気象用語で、実際に梅雨の期間に入ることを表しています。「梅雨明け」も同様です。一方の「入梅」も梅雨入りを意味することばです。
 
また、雑節のひとつに「入梅」があります。歳時記を記したカレンダーには、毎年6月11日頃に「入梅」という記述があるはず。つまり、暦の上での入梅の日があるのです。雑節は季節の移り変わりを把握するためのもので、「節分」「彼岸」「八十八夜」なども雑節です。雑節の「入梅」は、現在は太陽の黄経が80度に達した日ですが、以前は立春から数えて135日目、さらに昔の暦では「芒種」のあとの最初の「壬(みずのえ)の日」とされていました。雑節の入梅は、実際の梅雨入りとは異なりますが、農作業の目安として重要視されてきました。
 
ちなみに、「梅雨明け」を表すことばに「出梅(しゅつばい)」があります。

■梅雨に関する素敵なことばはこちらをご覧ください。 ■日本人の虹の見方も素晴らしいです。

梅雨に役立つ、おばあちゃんの知恵

梅雨は春から夏へと移るための大切な季節。梅雨ならではの悩みもあれば、楽しいこともありますね。毎年巡ってくるものなので、昔の人は上手に暮らしに組み込んで生活していました。
青じそはおなあじみの「大葉」。赤じそは梅干しやしそジュースに使われ、乾燥させたものが「ゆかり」です

青じそはおなじみの「大葉」。赤じそは梅干しやしそジュースに使われ、乾燥させたものが「ゆかり」です

まず、梅雨の楽しみといえば梅。「梅雨」「入梅」の語源でもあるように、この時期は梅が実ります。昔から梅は「三毒(食べものの毒・血液の毒・水の毒)」を断つといわれる健康食で、「梅仕事」といって、梅酒や梅干し作りが欠かせませんでした。また、梅干し作りに使う赤じそも旬なので、しそジュース作りも楽しいものです。

また、食中毒対策として、食あたりを防ぐ役目のあるみょうが、しょうが、わさび、大葉などの薬味を活用したり、お弁当やおにぎりを酢飯にしたりするのも昔ながらの知恵です。まな板に緑茶をかければ、消臭・抗菌作用でスッキリするでしょう。

そして湿気対策には、カビの栄養源となるほこりや湿気がたまらないよう、壁と家具の間を5cmほどあけて風の通り道をつくったり、扇風機をあてる、押入れの中にすのこを敷く、湿気とりに新聞紙を活用する、酢で掃除して除菌するなど、おばあちゃんの知恵は手軽で賢いものばかり。現代の家事にも取り入れてみてはいかがでしょうか。


梅雨の暮らしは、ちょっとした工夫で快適になるもの。梅雨と上手につき合うためのヒントもお役立てください。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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