春は「牡丹餅」、秋は「御萩」

まず、春彼岸と秋彼岸にあわせて、このように変わります。
<左> 牡丹と牡丹餅  <右> 萩と御萩

■呼び名
春に咲く牡丹の花にちなみ、春は「ぼたもち」といい、「牡丹餅」と書きます。秋は萩の花にちなんで「おはぎ」といい、「御萩」と書きます。

■形の違い
牡丹は大きくて丸い花、萩は小さくてやや細長い花。そこで、「ぼたもち」は大きめで丸い形に、「おはぎ」は小ぶりで俵の形に作ります。

■あんの違い
材料となる小豆は秋に収穫されます。とれたての小豆が使える秋は、皮ごと使った粒あんに、冬を越した春は、かたくなった皮を取ってこしあんにして使っていました。だから、「ぼたもち」はこしあん、「おはぎ」は粒あんを使って作ります。


現在は、こうした違いにこだわらないものが多くなりましたが、本来は春と秋で区別していたわけです。また、小豆あんをぼたもち、きな粉をまぶしたものをおはぎと呼んだり、米粒が残らない餅状につぶしたもの(俗称:皆殺し)をぼたもち、米粒が残ったもの(俗称:半殺し)をおはぎと呼ぶなど、地方によっても様々です。


夏は「夜船」、冬は「北窓」

闇にまぎれ、いつ着いたのかわからない…夜船
さらに、夏と冬にも呼び名があります。ぼたもちは、杵を使って本格的な餅つきをする必要がなく静かに作れることから、こんな言葉遊びをしました。

■夏の呼び名
(餅なのに)いつついたのかわからない

(夜の闇で)いつ着いたのかわからない

「夜船」

■冬の呼び名
(餅つきをしなくてもいいので)つきを知らない

(北向きでは月が見られないため)月を知らない

「北窓」


「牡丹餅」「夜船」「御萩」「北窓」と春夏秋冬の呼び名があるとは、実に洒落ていますね。お彼岸はもちろんのこと、さまざまなシーンでぜひ味わってみてください。

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