新発売ビーフィーター24は爽やか柑橘系
ビーフィーター24/700ml/45度/¥3,200 |
ビーフィーター24はジュニパーベリー(杜松/ねずの実)をはじめとした12種類のボタニカル(植物/漬け込む素材となる草根木皮)を使用している。他にはオレンジピール、レモンピール、アーモンド、コリアンダー、オリス、リコリス、アンジェリカの根、アンジェリカの種。そして新たに日本の煎茶、中国緑茶、グレープフルーツの3種が加わった。
ここでジンの製法を簡単に説明しておく。とうもろこしや大麦麦芽といった穀類を原料に糖化、発酵、蒸溜。その蒸溜液にボタニカルを浸漬し、再び蒸溜する。そのため、どんなボタニカルを使用するか、また使用する比率によっても味わいの特長は異なり、さまざまな風味が生まれる。
ビーフィーター24の“24”とは、ボタニカルを24時間スティーピング(漬け込み)していることが理由のひとつ。また茶という新しいボタニカルの使用は、ビーフィーター蒸溜所長デズモンド・ペイン氏が創業者ジェームズ・バローの父が著名な茶商人だったことにヒントを得て選定したものだ。
爽やかなまるみのあるマティーニ
実験したのは目黒のバー「DAY BREAK」。まず常温、ストレートで試飲する。茶の先入観はたちまちに消え、柑橘系の甘い柔らかな香味に驚かされる。グレープフルーツが立った、女性的なジン、といった印象を受ける。そして冷やすと柑橘系の爽やかな、しなやかな香味に変わる。次に冷やした24とノイリープラット(ヴェルモット)でドライマティーニをつくってもらう。これがなかなか面白い。キンキンに冷えた24でつくってもいつものビーフィーター・マティーニとは違い、独特の丸みがあるやさしい味わいなのだ。
「DAY BREAK」のオーナーバーテンダー船木勝美氏と話したのだが、女性におすすめのマティーニと言えるし、ドライドライなキレばかりを求めるのではなく、こういうマティーニも新鮮でいい、という結論になった。
たとえとして、ウイスキー通ならば理解してもらえると思うが、いつもラフロイグやボウモアばかり飲んでいるけど、今夜はスプリングバンクにしようか、といった感覚で愉しんでみるといい。
次頁では船木氏に無理を言って、ビーフィーター24にウイスキーを合わせて遊んでみた。おかしなカクテルが登場する。
(次頁へつづく)