日本人の繊細な舌に合うウイスキー
ついこの間まで食業態はワイン、焼酎に目を向けてきた。では次にくる酒としてウイスキーとなった、かといえばおそらくそれだけではないだろう。料飲店、酒販店の人たちの多くがジャパニーズウイスキーの品質の高さにようやく気づきはじめた、ちょうどその時期に焼酎人気に衰えが出はじめた。動きが丁度重なったと見るべきだろう。
料理の品数の多さにはびっくり。ウイスキーが和洋の料理と溶け合うことを、出席者は身をもって感じたことだろう。嬉しい限りだ。 |
高品質のプレミアムウイスキーは、食前酒となり、ストレート、ロック、ソーダ割と次に食す料理に合わせて愉しめる。食中酒はハイボールがとくにおすすめ。そして食後にはゆったりとストレートやロックを味わう。
幅広い飲み方が可能だ。決してマニアックな酒ではないことを食業態の人たちが理解しはじめたのだ。またジャパニーズウイスキーの香味こそが日本人の繊細な舌に合うことをいま再認識してきたといえるだろう。
西京焼や焼き鳥もウイスキー
それをこのパーティでは幅広くプレゼンテーションしていた。料理の数もすべて紹介できないほど多かった。和洋の料理ともすんなり溶け合うことを伝えてもいた。魚介類のカナッペ、特選牛アスパラ巻やむつ西京焼、小芋田楽などの和風オードブル、地鶏炭火やきとり、ロール寿司、ピロシキもあれば黒豚柔らか煮の中華揚げパンサンドなんてのもあった。ドライフルーツにチーズ、チョコレートと幅広い。
出席者がグラス片手に食べている姿を眺めながら、私は山崎18年をストレートに少し水を加えて飲んでいた。
やきとりに挑戦してみた。つくねにしろ正肉にしろ、味の濃いタレが合うとの先入観があるが、塩でも十分に堪能できるし、ハイボールにすればゴクゴクッと杯が進む。シングルモルト白州のハイボールなんて食中酒として最適だと思う。
やっぱりね、ジャパニーズウイスキーは日本人に合う。日本の水が育んだ酒だもの。
かつては食業態では水割が主流だった。21世紀に入って少しだけ経ったいま、どんな形でウイスキーが愉しまれるか、大いに期待できる。
前回の同シリーズ『世界はいま、ジャパニーズ4回神がかり的なミズナラ樽熟成原酒』も是非ご一読いただきたい。