ウイスキーのためのソーダ、誕生
前回の“私の好きなカクテル”の最後にソーダについていずれ語ると書いた。約束を破ることの多い私だが、今回はきわめて早く約束を守ることになった。その理由がこれ。ついこの間、ソーダ水の新製品が世に出たからだ。これがかなりいい。キレイすぎるほどの味わいといっていい。
そして世界ではじめて、ウイスキー&ソーダのための、つまりウイスキーのためのソーダが誕生したのではなかろうか。
『ザ・プレミアムソーダ』(¥100)の名でサントリーが出した一瓶で、山崎の天然水でつくったソーダだ。
バーで多く使われているのはウィルキンソンタンサン(アサヒ)で、ごくたまにカナダドライのクラブソーダ(コカ・コーラ)やサントリーソーダを見ることがある。
そのため私がこれまでソーダ割りだ、ハイボールだとバーで飲んでどうのこうのと書いてきたものは、ほとんどがウィルキンソン割りだった訳である。
山崎の天然水でつくった『ザ・プレミアムソーダ』(¥100) |
何年か前のこと。山崎蒸溜所のブレンダー室に仕事で出かけた時、響17年のソーダ割りを飲ませていただいたことがある。驚いた。いつも飲んでいる味わいより断然キレイなのだ。
聞くと、山崎の仕込水でつくったソーダだという。その時に、蒸溜所の仕込水からつくったソーダが市販されればいいのにと思った。
まあ、その思いが実現した訳なのだ。
ソーダ水に関しても、やっぱり水っていうのは大切なんじゃないかな。
チェイサーとしてもOK
まだ十分に実験していないのだが、現段階で私が試してみたところを報告しよう。とりあえずザ・プレミアムソーダ、ウィルキンソン、クラブソーダの3品のそのままの味を試してみた。
プレミアムソーダはやはり違う。水の良さなんだろう。炭酸の泡の小珠も嫌味がなく、すっと自然な口当たりで、後口もいい。
ウイスキーのチェイサーとしても活躍できる澄んだ味わいだった。
ただウィルキンソンやクラブソーダをけなすつもりはない。それらはもともと、ウイスキーという酒を意識して誕生したソーダではないからだ。硬度もウイスキーの仕込水よりも高いはずだ。
次ページでは、ウイスキーとともに味わってみた時のそれぞれのよさについて語ってみたい。(次ページへつづく)