きちんといえばウイスキー&ソーダというカクテルなのだ。ビールをそんなに飲まない私は、ハイボールをビール代わりに飲むことが多い。飲みながらよく思うのは、ウイスキーに馴染みのない女性へのきっかけづくりにはハイボールが最適ではないかということだ。
トリス・スクエアのハイボール。 |
だが手っ取り早いのがハイボール。とくに酎ハイや焼酎サワーといった酒に慣れ親しんでいる人には、ウイスキー&ソーダは親しみやすいはずだ。
ウイスキーサイトではあるが、ここで酎ハイについて簡単に述べる。
酎ハイとは焼酎ハイボールのこと。カクテルのウイスキー&ソーダに由来するものだ。ハイボールと何故呼ぶのかは、イギリスのゴルフ場説、アメリカの大陸横断鉄道敷設時代の気球説などがあるがここでは詳しく述べない。というのはどちらも嘘くさいと私は思っているからだ。詳しく知りたい方は、洋酒研究家・福西英三著『洋酒うんちく百科』(河出書房新社/¥2,500・税別)を読んでいただきたい。洋酒研究家、福西先生の見解がいまのところ最も信憑性が高い。
余談が過ぎたが、ハイボールとはグラスを立ち昇るソーダの泡、小珠を表現したものであることは間違いない。
太平洋戦争後、とくにハイボールは流行した。トリスバーのトリスのハイボール、トリハイをはじめ、米駐留軍の下級兵士たちの飲むウイスキー&コーラのコークハイなどが大衆に浸透する。
昭和20年代中頃、東京下町の酒場からウイスキー・ハイボールの焼酎版として“酎ハイ”が生まれたといわれている。まだウイスキーはハイカラで真の大衆酒の地位を確立していなかった時代のことである。
サワーも古いカクテル
酎ハイと並んで、焼酎サワーというのもある。これもブランデー・サワーという古いカクテルがあって、それとともにウイスキー・サワーもあるのだが、そこから焼酎サワーも誕生した。カクテルの世界では、サワーはこう定義されている。
各種蒸溜酒にレモンジュースと少量の砂糖を加え、シェークしたもの。で、サワーとは“酸っぱい”ということだ。(次頁へつづく >>)