シリーズ-趣きのある建物 その2
ご自身で床張りまでされたという、手作り感のあふれる店内です |
店名は、フランス語で「少し近い」という言葉が転じて「だいたい」という意味。町家、それもテーブルや床までシェフとサービスを務める旦那様とで手作りしたという、一風変わった空間で、肩肘張らずに食べてもらいたいからと付けた名前だそうです。
「エピス」をご紹介する際に、町家フレンチが変わってきたことは書きました。もはや町家というだけでレストランが流行るわけではない時代になっています。「エピス」が古民家というシチュエーションを取り込んだ、優しさ・京都らしさのあるコンセプチュアルなレストランであるのに対して、今回ご紹介する「ア・プ・プレ」の特徴は、町家で本場のフレンチを再現していること。
「ア・プ・プレ」が生み出す料理の幅
「Les Gourmets」でも定番だったという、クラシックなウッフ・アン・ムーレット(玉子のワイン煮)にアレンジを加えて |
個性的なじゃばら開きのメニュー |
こちらの料理には、良い意味でのアバウトさが感じられます。その結果、日本、特に京都の懐石風フレンチとは明らかに一線を画した、濃厚で大胆な料理となっているのです。その出自は、間違いなくシェフがフランスで体得してきたもの、すなわちフランスのアバウトさ。その結果として、京都フレンチに料理の幅を生み出しているのです。
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