ワイン/ワインバー・レストラン

精妙な味:エディション・コウジ シモムラ(3ページ目)

軽く、あくまで軽く。そして美味しく。フランス料理を変えたベルナール・ロワゾーの精神を継承する下村浩司シェフが創造する独自の料理世界を、ワインと合わせてみた。

執筆者:橋本 伸彦

食感と香りのハーモニー

とろりと注がれるヴルーテ
2皿目に供される魚料理『常磐産アンコウとフォアグラのソテー セップ茸とアーティーチョークのヴルーテ』は、まずそれぞれの素材をスープ皿に盛ってテーブルに運び、別に持って来たポタージュスープぐらいの濃度があるソースを具材の周りへとたっぷり注いでくれる。先に具材をよく見て、それからソースを合わせて味わうという趣向だ。

ソースに浸ったアンコウは巧みな加熱で肉汁を抱え込み、喩えて言えば柔かい豚ロース肉ぐらいの弾力でプリプリッと張りつめている。フォアグラは表面にさっと火を通し中はとろりとクリーミー。キノコのソテーも噛めば汁があふれ出す。こうした多彩な食材の盛り合わせが、注がれたヴルーテによって一体となる。
常磐産アンコウとフォアグラのソテー セップ茸とアーティーチョークのヴルーテ
見たところ「満腹感のあるスープ」といった様子だが、この料理は軽い。ヴルーテは裏漉しした食材に小麦粉やクリームで濃度をつけることが多いが、このソースはセップ茸とアーティーチョークをピューレにして出汁で伸ばしたようなサラサラしたもの。上質な素材の風味を覆い隠すことも、食べて腹にもたれることもない。

ペルフェクト 2003年(カステロ・デ・メディナ)
合わせたワインはスペインのルエダ地区で造る『ペルフェクト』という白ワインで、ヴェルデーリョ(ポルトガル名産のマデイラなどに使われる品種)を主体にソーヴニョン・ブランを加えているものだ。

ぽってりと熟した果実味もあるが、ヴェルデーリョは少し重くほろ苦い個性的な風味があるのが特徴で、その重みや苦味がヴルーテのそれと呼応する。ソーヴニョン・ブランの青みやフレッシュな果実香が爽やかさを加えている。

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