炭水化物
茶葉にはセルロース、デンプン、デキストリン、糖、ゴム質、ペクチンなどの炭水化物も含まれています。その中でもセルロースは12%と多く含まれています。成長した茶葉にはデンプンも多いといわれます。しかし、これらは水には溶けませんので、茶の中には溶け出しません。茶芽には、シュクロースという糖が含まれ、糖の中では60%を占めています。芽のお茶に甘みを感じるのは、このためです。
ビタミン
茶葉に含まれるビタミンの量は、緑茶、青茶、紅茶など、茶の種類によっても異なりますが、茶葉には抗酸化性ビタミンとよばれるプロビタミンA、B1、B2、ニコチン酸、パントテン酸、葉酸、ビオチン、ビタミンC、ビタミンP、ビタミンEなどが含まれています。そのうちで、茶湯の中に溶け出すビタミン類の代表的な物としては、ビタミンB、ビタミンC、ビタミンPなどがあります。
煎茶一杯(約100ml)にはビタミンCが4~5mg含まれています。他の抗酸化性ビタミンであるA(β-カロチン)やビタミンEは水や湯に殆ど溶けません。従ってこれらのビタミンは飲むお茶には含まれません。茶葉を粉にして飲む抹茶の場合は、これらのビタミンはすべて利用することができますので、ビタミン摂取には、抹茶が最適だと考えられます。
しかしビタミンはとてもデリケートな物質であり、熱に弱く、茶の製法や工程の長さなどによって減少してしまいます。紅茶、黒茶(プーアール茶)では殆ど、あるいは全く検出されないのだそうです。
よく、中国の歴代王朝が辺境の経営政策で茶を輸出した理由として、辺境民族の人々がビタミンC不足を解消するためといわれますが、緑茶の状態で輸出された茶にはビタミンCが含まれるものの、輸出茶が四川黒茶の団茶である場合には、ビタミンCはありませんので、必ずしもビタミン補給のために辺境の民族が茶を飲んでいたわけではないと言う点には注意が必要です。
さて、ビタミンCは水や湯によく溶けるため、緑茶の溶出液であるお茶にはビタミンCが多く含まれています。