馨華のオーナー秦さん(右)と
マネージャーの藤本さん(左)
オールアバウトのガイドをはじめたばかりの頃、「中国茶って農薬の問題は大丈夫なの?」というご質問をいただくことがよくありました。

当時は中国産野菜での農薬問題が日本でも大きな問題となっており、また中国のメディアなどから「茶葉市場で残留農薬検査、相当数がパスできず」などという報道が伝わってきたものでした。

最近はどうなんだろう、そんな疑問がガイドの私にもあったので、有機・無農薬の茶葉を扱うオンラインショップ「馨華」のオーナー秦 国力氏にご教授いただいてきました。

中国における農薬問題の発端

中国茶は安全か
今では日本にもすっかりなじんだ中国茶ですが、中国ではようやく今「中国茶がブーム」になっています。お茶の本場中国でなぜなんだろうと、不思議に思いますが、実は、中国でお茶が国の政策として育成されるようになったのが、まだほんの20年ほど前のこと。

文化大革命で嗜好品であるお茶の多くが駆逐されてしまったのですが、1980年代になって、農業政策の一環として茶が復興され、生産量を上げるための様々な政策が導入されてきました。

その一方で、生産量を増やせばいいという方針が農民に「農薬」を非常識に利用させる方向に導いてしまった時期がありました。当時は統一的な農薬使用指針などもなく、県レベルでの指導はなおざりにされていた状況にありました。

生産量が増え、輸出量が増加するにしたがって、中国全国に4社しかなかった輸出公司が数十社を超えるまでに増加し、業者が乱立、輸出ライセンスの規制緩和により、中国茶輸出の下げ相場をもたらしてしまいました。

しかし、この茶葉の平均単価は下落は、インドネシア、ベトナムといった他の茶生産国が低品質で安価な緑茶を市場に供給していることも上げられていましたが、その他の原因として中国産の茶葉に大量の残留農薬があることが指摘されるようになりました。

日本にも根付いてきた中国茶だが・・・。
欧米諸国はこのような茶葉中の農薬残留量に対して非常に厳格な態度をとっており、過去、2000年にはEUと日本は中国からの輸入茶葉に対し新たに厳格な残留農薬基準を導入し、茶葉輸出量が大幅に減少する事態に至りました。

2000年代初頭では、茶葉市場への抜き打ち検査の結果、多くの茶葉が不適格とされ焼却処分された事件も発生しています。

直近でも、豚小屋を改造した偽プーアル茶が広東(カントン)省・四会(しかい)市で作られていることが発覚したり、六価クロム、鉛、鉄のシアン化合物などを含む工業用着色料「クロムグリーン」で色を付けられた碧螺春が蘇州市内の南環路茶葉市場で発見されるなどの事件は記憶に新しいと思います。

中国の茶葉の主な輸出国は日本、アメリカ、EUです。EUでは茶葉に対する農薬MRL検査標準は190以上の項目にわたり、これらの国々では次々と中国から輸入される茶葉の残留農薬基準を上げています。