中国茶/中国茶の基礎知識

中国茶の分類:形状分類

中国茶の分類法には、6大茶分類のほかにもいくつかあります。今回は、茶葉の形状に注目した分類を見てみましょう。

執筆者:平田 公一

中国茶の茶葉の区分は、代表的名六大茶区分の他に、茶葉の形状で区分する方法があります。これは茶の品種、栽培条件、茶葉の品質、製茶工程などには着目せず、単に茶葉の形状で分類した方法で主に12種類に区分されています。今回は、その分類を見てみることにしましょう。

条形

条形茶とは、茶葉の形状がストレートなものです。
芽を中心に一芯一葉から二葉程度で摘まれた緑茶で、緑茶としては圧倒的に数が多いのがこの分類のお茶です。
炒青緑茶、[火共]青緑茶、工夫紅茶、水仙などの単叢系青茶がこの分類に属します。
特に、雲霧茶、毛峰茶、毛尖と呼ばれるような緑茶は、この分類に属します。

代表的な茶葉としては、黄山毛峰や雲南毛峰などを挙げることができます。

 
黄山毛峰 雲南毛峰


巻曲形

巻曲形とは、ミル芽の部分を丁寧に揉捻した白毫の多いお茶で、「提毫」という工程を経た、産毛の多い緑茶の区分になります。

くるくると茶葉が巻いたような、そしてそこに産毛がまぶしてあるようなつくりになっているものをさします。

代表的な茶葉としては、江蘇省の碧螺春、貴州省の都均(土へんはない)毛尖、四川省の蒙頂甘露などを挙げることができます。

 
碧螺春 都均毛尖


円珠形

円珠形とは、茶葉をきつく顆粒状あるいは小さな球状に整形したお茶を指します。

珠茶のような小さな非常に固い顆粒状のものから、白龍珠のようなふんわりと白毫を巻いたようなものまで、比較的バリエーションが多い区分です。

代表的な茶葉としては、平水珠茶、涌渓火青、白龍珠などを挙げることができます。

 
平水珠茶 白龍珠


螺釘形

螺釘形とは、茶葉をしっかりと揉捻した茶葉のうち、円珠形にまではいたっていない形状の茶葉をさします。

芽の部分を強く揉捻すると、円珠形になることが多いのですが、成長した茶葉を揉捻すると、完全な球形にならないことから、このような形容がされています。おもに、青茶に多く見られる形状区分です。

代表的な茶葉として、福建省の安渓鉄観音や武夷岩茶などを挙げることができます。

 
安渓鉄観音 凍頂烏龍


扁形

扁形とは、茶葉が押しツボされたような形状をしているものです。扁条形と扁片形に区分されます。

代表的な茶葉として、西湖龍井、竹葉青、大方などを挙げることができます。

 
峨眉竹葉青 西湖龍井


針形

針形は、字のごとく針のように細長い茶葉のものをさします。

銀針、松針などの呼称が付けられているお茶は、この区分に属します。多くのお茶は、一芯一葉で製茶されています。

代表的な茶葉として、松針、白毫銀針、君山銀針などを挙げることができます。

 
白毫銀針 松針


片形

片形は、比較的茶葉をプリミティブなまま製茶してあるものをさします。

茶葉が内側に丸まっているものが片形茶です。分整片形、砕片形の2種があります。

分片形は六安瓜片茶、砕片形は秀眉などがこの分類に属します。 代表的な茶葉として、六安瓜片茶などを挙げることができます。

六安瓜片


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