明前東山洞庭碧螺春

新茶の季節になりました。新茶といえば明前茶。明前茶といえば龍井と碧螺春の名前が上がると思います。そこで、今回は碧螺春を取り上げてみることにしました。

ご存知のとおり、「碧螺春(BI LUO CHUN)」は、中国緑茶の中では、龍井と並んで非常に有名なお茶です。江蘇省呉県市や宜興市など太湖沿岸の地域に突き出すようにある洞庭東山と呼ばれる半島や洞庭西山と呼ばれる湖中の島などで作られるお茶ですが、ここでは主に梅・桃・柿・杏・李・柘榴などの果樹園が広がっています。

この果樹園の果樹の下に茶樹が植えられていることから、果樹の香りが自然に移るから非常においしいお茶ができるのだとなどともいわれますが、非常に繊細な産毛の多い、芽のお茶です。

この地区は年間平均気温が16度と温暖で、冬温かく夏に涼しいといわれ、霧が発生しやすく湿度もあり茶葉が育つには非常に良い環境だといわれ、唐代以前に遡るほど非常に古くからお茶作りが始められていました。碧螺春そのものは、明末から清初に作られるようになったといわれています。

碧螺春はこうして作られる

丁寧に作られる碧螺春は、見た目が非常に華奢な茶葉で、一芯一葉が渦巻き状に製茶されています。ではどうやって作られるんでしょう。

春分から清明節過ぎ穀雨までの間に芽の部分を一芯一葉ですばやく摘みます。出芽して三日以内に摘まれた若芽にしかない「白毫」が多いのが特徴といって良いでしょう。

白毫が多い程が高級茶とされるので、茶農たちは「早採三天是宝、晩採三天是草(三日早く摘めば宝、三日遅く摘めばただの草)」ということわざを持っています。

摘む時一芯ニ葉にはには完璧には摘めませんから、摘んだ後に一芯一葉に揃えます。このときの茶葉の大きさは大体1.6センチから2.5センチ程度の大きさです。1斤(500グラム)に含まれる芽の数は実に6万8千から8万だといわれています。



摘んだ茶葉は、良い香りが出るようにしばらくの間放置され(攤放)、その後殺青されます。

殺青は、薪で150度から180度ぐらいまで熱した平鍋又は傾斜鍋に一回につき250g程度の茶葉を入れて3分から5分ほど片手で円を描く用にかき混ぜる方法で行われます。これが終了すると、今度は65度から75度ぐらいまで鍋の温度下げ、そこで炒りながら両手で掴んでは解す揉捻が行われます。

この作業を続けて行くと、次第に産毛が立ってきて白毫が目立つようになります。10分から15分程度続けたら、更に鍋の温度を55度から60度ぐらいまで下げ、産毛をさらに出し形を田螺のようにするために更に両手ですくってては揉み解すという作業を15分ほど続けます。

炒め終わったら紙に茶葉を移して15分ほど熱を取ります。これで荒茶の出来あがりですが、製品にする場合は、更に、この紙に乗った茶葉を紙ごと30度から40度に熱した鍋の上に乗せて6~7分[火共]干します。これで茶葉に含まれる水分を7%程度まで落とすのです。