「極める台湾茶」の表紙
『極める台湾茶』の表紙
中国茶の本は巷にあれこれ出ています。その多くが入門書で、網羅的な知識が記載されていて、それはそれなりに役に立つのですが、一方で、台湾のお茶に関する本は、とても少ないのが現状です。

谷本陽蔵先生の『新訂 中国茶の魅力』が台湾茶について詳しく書かれていますが、これはどちらかというと専門書に近く、お茶に興味をもったばかりの人には少し読むのが難しいという部類の本でした。

ところが、昨年暮れに一冊の素敵な本が出版されました。『極める台湾茶』と名前の付けられたこの本は、題名のとおり、台湾茶の魅力をあますところなく紹介した、全く新しい台湾茶の本なのです。

著者は、編集の仕事をされている池上麻由子さん。お茶のルーツを探るべく天津の裏千家茶道短期大学に留学され、中国語やお茶の勉強をされた方。良いお茶を求めて台湾へ何度も渡航し、台湾茶の魅力にすっかりはまった池上さんは、そこで、上園茶荘の林鼎洲氏に出合ったことで、この本が生まれたようです。

上園茶荘の林さんといえば、台湾茶に嵌まった多くの有名人が足を踏み入れ教えを請うた方。林さんのおかげで日本の台湾愛好家の中に高山茶という名前が広がったとさえいえるのです。その林さんの名前が監修者として掲げられているのだから、読まないわけにはいきません。



高山茶の紹介ページ

台湾茶の基礎を知る

ページをめくると、台湾茶の基本的な知識はもちろんのこと、「近年愛好家の間で高い人気を博しながら、今な謎のベールにととまれれている台湾茶の正体を探り、そのおいしさの秘密を解き明かす」(まえがきより引用)ことに多くのページが割かれています。

この本の構成は、前半が「学台湾茶」と題して知識編が置かれています。

様々な魅力あるお茶が台湾に存在していること、その基本的な事柄が丁寧に記載されています。

特に第三章の季節ごとにお茶の個性が違うことを紹介し、さらに新茶と陳茶、生茶と熟茶の違いを丁寧に説明しているあたりは、大変興味深い部分です。

また、第四章のそれぞれのお茶の説明や高山茶の作り方なども、今までの本とは一味違った視点で書かれています。