黒茶(hei cha)
餅茶(雲南省) |
晒青緑茶を蒸して型で固めた、典型的な後発酵茶です。文献上に初めて現れたのは北宋時代(1074)ですが、モンゴルなど内陸部への輸送の便を考えて作られたことから、「緑茶」と同様に歴史の古いお茶です。
タンニンの多い大葉種で作られるためそのままでは飲みにくく、緑茶を放置してタンニンを減少させたものが、このお茶の始まりであると言われています。したがって、放置している間に自然に酵母菌がついて後発酵したお茶だといえますが、近年故意に菌を付けて黒茶を製造していることから、緑茶ベースのものを「生茶」、人為的に菌発酵(握堆)させたものを「熟茶」と呼んでいます。
沱茶(四川省) |
製造工程は、熟茶の餅茶の場合、茶葉を萎凋させた後、殺青を行い揉捻した荒茶を握堆(水をかけて茶葉を湿らせ、堆積させて麹黴などを繁殖させる行程。途中なんどか攪拌する。)させ、再度揉捻した後プレスし固形にします。その後自然乾燥させます。
生茶の場合は、晒青緑茶や炒青緑茶を蒸気で加熱し湿らせ、軽く揉捻した後、プレスし固形にします。その後自然乾燥・自然発酵させます。
主要な産地は、雲南省、四川省、湖南省、安徽省などで、それぞれ作られるお茶は非常に特徴があります。その中でも有名なのが雲南省のプーアル茶で、形も様々です。
発酵度:後発酵
香 り:木、苔
代表茶:プーアル茶、六堡茶など