中国茶/中国茶の基礎知識

中国茶の分類:六大分類(1)(3ページ目)

中国茶の基本的な分類をこれから何回かに分けてご紹介します。今回は基本中の基本「六大分類」です。2回に分けてお届けします。

執筆者:平田 公一


黄茶(huang cha)

霍山黄芽(安徽省)
日本ではあまり知られていない、軽度の後発酵茶です。一説には古代からあるとされていますが、実際には明代の文献上(1571)に初めて黄茶の製法が現れたといわれています。18世紀には製法が完成され、湖南省の洞庭湖にある君山島で採れる君山銀針が、製品として名高いとされています。

性質は「緑茶」と「黒茶」の中間で、どちらかというと「緑茶」のほうに近い位置にあり、「黄湯黄葉」が特色と説明されています。

芽だけを使った「黄芽茶」(君山銀針、蒙頂黄芽など)、若葉でつくる「黄小茶」(北港毛尖など)、少し大きくなった硬い葉を用いる「黄大茶」(霍山黄大茶など)の3つに分類されますに区分できます。

製造工程が他のお茶とは異なり、「悶黄(もんおう)」という湿った茶葉を放置し意図的に軽発酵させる工程が加わっています。

北港毛尖(湖南省)
半分よりやや多く水分を乾燥させた後、茶葉を積み重ね、紙や湿った布をかぶせて高温多湿の場所に放置します。それによって、茶葉は、酸化発酵ではなく、酵母菌の作用で軽く発酵(「後発酵」)します。

悶黄の作業は1回だけの場合もありますが、独特の香りを出すため、数十回ほど繰り返し行われる場合もあります。

採摘(茶葉を摘みます)→殺青(発酵を止めます)→揉捻(茶が出やすいように揉みます) →初[火共](軽く乾燥させます)→悶黄(菌で発酵させます)→復[火共](再度火入れをします) →悶黄(再度、菌で発酵させます)→乾燥(仕上げの乾燥をします)

  発酵度:弱後発酵
  香 り:果物
  代表茶:君山銀針(湖南省)、蒙頂黄芽(四川省)、
      霍山黄芽 (安徽省)、温州黄湯(浙江省)など


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