『drinkin' cha』
[男のこだわりグッズ]ガイドの納富さんが、なんと中国茶の本をだしました。
数年前、私が納富さんと初めて会ったのは、「中国茶の本を出版するから」という理由からでした。それからいつの間にか納富さんはオールアバウトの[男のこだわりグッズ]ガイドになっていて、さらにiPodの本やら「やかん」の本などが出版されていました。
そんな企画などがいろいろあって、お茶の本はなかなか出ませんでしたが、一緒にお茶を飲んでいるうちに、納富さんのブログ「DRINKIN' CHA」が充実し、今回このブログをベースに念願の中国茶の本『drinkin' cha』が出版されたというわけです。
『drinkin' cha』の特徴は、なんといっても巷に溢れている中国茶入門本とは一線も二線も画するその内容。一言でいえば、「お茶はごちゃごちゃいわずに、好きだと思うおいしいお茶を飲もうよ!」という精神に溢れているのですから。
これらの記事の中には、納富さんと一緒になってお茶を飲んだ時のことがいろいろと登場して、私にとってはなんとも懐かしいお茶会の記録ということもあるんですが、特筆すべきはやはり彼の目線の鋭さ。独断が独断に思えず、ついついうんうんとうなずいてしまいます。少しだけ内容をご紹介してみると・・・。
第一章 中国茶スターターキット |
第一章 中国茶スターターキット
まずは、その目次を見てみると、第一章が「中国茶スターターキット」。つまり「とりあえずこれだけあれば美味しくお茶が飲める、という道具と茶葉と知識のセット」ということで、中国茶には知識とか形から入るアプローチだってもちろんあるのですが、そこは納富さんのこと、小難しい話は抜きにしてとにかく納富流中国茶スタート術がこれでもかというほど凝縮されています。
たとえば、茶葉については「好きな定番茶を探すこと、高くてよいお茶ではなく、好きなお茶を安定的に入手することが重要だということ」をストレートに説いてくれます。
そのほかにも、茶器の話し、淹れ方の話しなど、とにかく今での中国茶の本にあるような定番な内容を払拭するような楽しくてためになる話が盛りだくさん。
第二章 我流茶 |
第二章 我流茶
第二章は、「我流茶」。我流茶とは、それぞれの人が「好きに淹れたり好きに飲んだりしてお茶を楽しむこと」。そんな我流茶を楽しむ13人の我流茶が様々に並んでいます。茶荘の店主、茶荘のスタッフ、中国茶探索人、中国茶焙煎人、薬膳料理専門家、作家、スーパーアートディレクター、そして一般の主婦にいたるまで、それぞれの我流茶がこれでもかと登場します。そこには、本当にそれぞれの人がお茶を楽しんでいる姿が描かれています。
たとえば、耐熱ガラス容器でお茶を飲んだり、ステンレス茶盤を愛用したり、南部鉄瓶んで沸かした湯が欠かせなかったり、そして茶漉しが欠かせなかったりと、十人いれば十通りのお茶の楽しみ方があるのです。