茶藝館や中国茶専門店でお茶を飲んだ後、自宅で同じようにお茶を淹れているのに、なんでうまく入らないのだろうと思っていらっしゃる方、いませんか?
マガジン連載1回目に「たかがお茶」と書きました。カジュアルに、普段の生活の中で手軽にお茶を飲みましょうという意味で「たかがお茶」と書いたのですが、中国茶専門店などでお茶を淹れてくれる人は、それなりのプロ。やはりお茶を淹れるポイントをちゃんと抑えています。だから、「たががお茶、されどお茶」なのですね。
でも、安心してください。おいしくお茶をいれるポイントは、そんなに複雑ではありません。それにお茶はあくまでも嗜好品。一番おいしく淹れるためのポイントは、「自分がおいしいと感じる」ように淹れるということなのです。
さあ、これから味わいのお茶の世界を探求してみましょう。
▼ おいしいお茶とは
まず、おいしいお茶という場合に、気をつけないければならないことについてお話しておきましょう。お茶は嗜好品ということを書きました。人の嗜好は非常に微妙です。100人の人がいて、100人の人が同じレベルでおいしいと思うようにお茶を淹れることは、プロにとっても非常に難しいのです。多分、非常に高級な良質な茶葉を使って、ポイントを抑えれば、それなりに淹れることは可能だと思います。でも、毎回そんなことはできませんよね。
ならば、目指すは、「自分がおいしいと感じる」こと。あくまでもお茶を飲むのは、そうあなたなのです。そのあなたがおいしいと感じる淹れ方が、あなたにとって最良の淹れ方になるわけです。
▼ お茶の淹れ方3原則
さて、お茶をおいしく淹れるときにいつも気にしなければいけないポイントが3つあります。この3つのポイントにだけ気をつけていれば、たいがいおいしいお茶が淹れられるようになります。そのポイントとは、
1.お湯の温度
2.蒸らし時間
3.茶葉の量
です。
この3つをどのように組み合わせるかで、さまざまなお茶が入ります。同じ茶葉の量、同じお湯の温度でも、蒸らし時間が多くなれば濃さに違いが出ます。また、同じ茶葉の量で同じ蒸らし時間であっても、お湯の温度が違うと、お茶の甘みに大きな差が出ます。
まずは、お湯の温度の違いがもたらすお茶の味わいの違いを考えて見ましょう。