中国茶/おいしい中国茶の入れ方

中国茶、香りの世界・味わいの世界 奥深い味わいに魅せられる(2ページ目)

おいしくお茶を淹れるのは、ポイントさえ抑えればOK。さらにお茶の味わい方をマスターすれば、奥深いお茶の味わいの世界を探求できます。

執筆者:平田 公一

▼ お湯の温度
お湯の温度が違うとお茶にどのような影響があるのでしょうか。じつは、お茶は、茶葉の成分が湯に溶け出したもの。お茶にはさまざまな成分が含まれています。最近良く耳にするカテキン。これは主に苦味の成分であるタンニンなどによって作られています。多くの成分は、高い温度だと湯に溶け出しやすい性格をもっていますが、中でもこのタンニン、高い温度で湯に溶け出すのです。逆に低い温度だと湯に溶け出しにくいのです。ということは、高い温度の湯でお茶をいれると苦味が出やすく、低い温度の湯でいれると苦味が出にくく甘味が増します。

だから「お茶は低い湯で!」ということになってしまいそうです。確かに日本茶であれば、それでいいのです。しかし、中国茶の場合は、様々なお茶があり、とくに香りを楽しむお茶がたくさんあります。香りは揮発性のもの。高い温度のほうがその香りが高くなる性質を持っています。また、黒茶のように麹黴が付いたり、紅茶のように茶の成分をしっかり抽出する必要のあるものは、できる限り高い温度のお湯でいれるとよいと言われています。

▼ 蒸らし時間
蒸らし時間の原理は、比較的簡単です。同じ温度の湯で蒸らし時間を長くした場合を考えると、長く置いたほうがお茶の成分がたくさん抽出されます。よく、お茶をいれて、そのまま忘れて放置してしまうことがありますが、そんなとき、お茶はとても濃くにがくなってしまいますよね。つまり、蒸らし時間で茶の成分の抽出をコントロールできるのです。

▼ 茶葉の量
茶葉の量が多ければ濃く、少なければ薄く、お茶が入ります。ただ、気をつけなければいけないことは、茶葉の量が、単にお茶の濃さだけに影響するのではない、ということです。それは、抽出時間との関係で見えてきます。もともと、抽出できる茶葉の量が多ければ、短い時間でお茶の濃い成分をしっかりと出すことができます。つまり、多くの茶葉を使えば、短い時間で、お茶のボディー(コク)を出すことができるわけです。たとえば、「タンニン(苦味)をあまり出したくない、でも茶の薄いのはいやだな」というときには、茶葉を多く、抽出時間を短くすればいいわけです。


▼ これらの性格を組み合わせましょう
それぞれの意味がわかったら、これを組み合わせればOK。たとえば、1煎目を入れてみたら、なんとなくまるいのだけど、香りの立ち方が悪く、お茶に切れが足りない。そんなとき、あなたはどうしますか?

そう、そんなときには、まずお湯の温度を上げてみましょう。高温の湯は、低い温度の湯よりもお茶に切れを与え、香りをよくします。

一方、香りはいいのだけど濃すぎる!という場合は?

そうですね。そんなときにはまず、蒸らし時間を短くしてみます。それでも濃いと思うときには、ちょっと裏技で、茶葉をすこし捨ててしまいましょう。こんな風に、お湯の温度、蒸らし時間、茶葉の量の組み合わせをコントロールすることで、自分が好むお茶を淹れることができるようになります。この組み合わせは、本当に無数にあります。まずは、いろんなお茶を飲んでみて、どのポイントが自分のツボをついた茶になるか、知ることも大切でしょう。



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