中国茶/おいしい中国茶の入れ方

中国茶、香りの世界・味わいの世界 奥深い味わいに魅せられる(4ページ目)

おいしくお茶を淹れるのは、ポイントさえ抑えればOK。さらにお茶の味わい方をマスターすれば、奥深いお茶の味わいの世界を探求できます。

執筆者:平田 公一

▼ 味わいの感じ方
さて、最後に、淹れたお茶の味わい方についてお話します。

お茶の味わいは、基本的には舌にある味蕾(みらい:つぼみのような形をした組織)という部分で感じるのです。この味蕾は舌のあちこちに分布していて、辛い(Salty):酸っぱい(Sour):甘い(Sweet):苦い(Bitter)という感覚を感じることができるのです。舌の先端では甘みを、両サイドの前方では辛い(塩辛い)、その後方ではすっぱい、そして舌全体の後方では苦味を感じます。

お茶を飲む際に、そのお茶全体の味を堪能するためには、この舌の組織にお茶全体を感じさせてあげる必要があるわけです。よく、ワインのテイスティングで、口の中でワインをクチュクチュとしている光景を目にすることがありますね。これは舌全体でワインの味を感じる作業をしているのです。中国茶も基本は同じ。お茶を味わうときに、この味蕾に茶をじっくりと味あわせてあげましょう。

▼ お茶の味わい方
さて、茶杯の茶の味わい方ですが、茶杯を手に取ったら、親指と中指で茶杯の縁を持ちます。口に茶杯を運んだときに、人差し指で口元を隠します。これが上品な飲み方。でも、あまり気にしなくてもOKです。

茶杯の茶は、基本的には3口で飲むと良いといわれています。これは茶を味わう場合にそのぐらいがちょうど良い量なのです。茶杯に入っている茶を、まずは一口程、口に含みます。茶を静かに舌の上に乗せて転がしたあと、のどの奥へと落としこんであげましょう。爽やかでありながら、甘味を伴ったお茶の味がじんわりと口の中に広がっていくことでしょう。さまざま味覚を関知できる舌全体で、お茶の味を感じることがポイントです。

次はもう少し多めに茶を口に含んでみましょう。そして舌、上あごなど、口の中全体でお茶を楽しんでください。口をすぼめてすうっと少しだけ空気と茶を混ぜるように空気を吸い込んであげると、茶の持つ本来の味を感じることが出来るでしょう。

お茶の味わいは、お茶の持つ味を楽しむことだけではありません。前回お話した香りとお茶がバランスよく感じられてこそ、お茶の味わいが増すのです。こうやって口に含んだお茶に少し空気を含ませてあげると、口のなかでその香りが広がります。特にほほの部分でお茶の感触を楽しみます。口の中でその空気をお茶をまわしたら、そうっと空気だけ鼻から外へ逃がしてあげましょう。そのときに、華やかな香りをそして静かに飲みこんで、大きく息を吸い込んで、細く細く吐き出すと、さらに甘いお茶の香りが戻ってきて、あなた全体を包んでくれるはずです。

三口目ですべての茶を飲み終えます。その一口は、自由に楽しみましょう。特に、喉で味わいを感じ、喉の奥から戻ってくる香りを感じてみてください。このような中国茶の味わいを「余香回味(ユイシャンホイウエ)」といいます。

そして、最後に忘れてはならないこと。茶杯の残り香を存分に楽しむことですね。

是非、普段の生活でもおいしい中国茶楽しんでください。そして、ちょっとお茶に興味がでたら、その興味を最大限に発揮して、香り、味わいの世界を探求してみてください。「たかがお茶、されどお茶」、お茶の奥深い楽しみがあなたを待ち受けています。

お茶のおいしい淹れ方、味わい方に興味をもたれたら、さらに追求してみてください。

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