茶の花


この白い花が茶の花です


10月頃になると綺麗な白い花を咲かす茶。時々思いがけず民家の生垣に生えていたりするのを見かけます。小さな白い花で、下向きに咲き、花びらが五枚。黄色いおしべがびっちりとある、可憐な花といえるでしょう。通常、茶農家では、茶の花が咲くと、茶樹の衰えが出てきた証拠とか、あるいは、花が咲き、実を結ぶと、畑の養分を消費されてしまうことから、花が咲くと摘んでしまうのだとか。

お茶といえば葉を加工して飲むものだと長い間思っていたのですが、実は、この白い花、飲み物の原料として利用されることがあるのをご存知でしたか?

もともと、茶の花は、古くから中国でも飲まれていたのだそうです。

出展は明らかではありませんが、宋代に茶に様々な材料とともに茶の花を入れて飲まれていたとの話があります。もっとも、茶に様々なものを入れる風習は、唐代に陸羽が批判したように、かなり古くから行われていた習慣であり、そこに茶の花を入れるという風習が無かったとはいえないわけですから、もしかしたら歴史的にはもっと古い時代からあったのかもしれません。

では、この白い花、どうやって飲むのでしょうか?

茶の花の飲み方


雲南省産の乾燥茶花に湯を注ぐ


中国ではこのあたりの研究があまり進んでいませんので、「いろんなものと一緒に入れて」というのがどんなものだったのか、はっきりとしたことは分かりません。おそらくは擂茶や油茶のように茶のエキスと様々な物(豆、ピーナッツなど)に加え茶の花を入れ、そして一種の食べ物のように扱われていたのではないでしょうか。

実際、日本には島根の名物「ぼてぼて茶」に茶の花が使われており、まさに、中国と同じような茶花の使い方をしています。ちなみに、このぼてぼて茶は、茶の花を入れて煮出した番茶に、ご飯、高野豆腐やしいたけ、煮豆などを入れて泡立てたものです。これは不昧公が病気に苦しんでいた人の救済のためにお粥の代わりに配られたという言い伝えがあります。

もちろん、そんな飲み方をしても良いのですが、簡単なのは、菊の花と同じように、乾燥した花にそのまま熱湯を注いで飲む方法。これは雲南省の野生茶樹から取った乾燥茶花を頂戴したときに教わった飲み方です。

梅のような若干の酸味がある以外、特徴のある味わいはしませんが、強い緑茶ばかり飲んだときの箸休め的なものとして利用できるという感じです。