4月5日及び6日に台湾茶協会(2004年に解散)主催の聞茶大会が開催されました。日本においてこれだけ本格的な聞茶に関する講習会が開催されたのは初めてで、その意義はとても大きなものだったと思います。 開催から一月が過ぎてしまいましたが、折角ですから、聞茶大会当日の様子を簡単にレポートしてみました。 ■ 台湾茶協会って? 台湾茶協会は、台湾へいってお茶にすっかり嵌ってしまった人たちが、もっと多くの人に台湾茶の魅力を知ってもらいたいと、2002年11月に立ち上げた民間の非営利団体です。台湾好きからお茶好きになった方やもともとのお茶好きから台湾茶大好きになった方々まで、様々な職種の方がその自分の社会的な肩書きを超えて「お茶好き」として集まったという非常にユニークな団体です。 一番私が気に入っているのは、特定の企業の色が無いことでしょうか。本来お茶好きの団体はこうあるべきではないかと思うお手本のような組織です。(残念ながら2004年に解散しました。) ■ 聞茶って? 今回開催された「聞茶大会」と銘打たれたイベントですが、まず、「聞茶(ききちゃ)」ってなに?ということに簡単に触れておきます。キリンビバレッジが2年前に発売した「聞茶」という烏龍茶飲料が非常に売れたので、既にこの言葉を聞いたことがある方も多いと思いますが、「聞」という言葉には、試すとか五感で感じるというような意味合いがあります。 つまり、簡単に言ってしまえば「お茶をテイスティングする」ということになるのでしょうか。今回の聞茶大会も、台湾茶をテイスティングする方法に主眼が置かれた講習として開催されました。 ■ 他の講習会と何が違ったの? 台湾茶の講習会は、各種中国茶講座などでも受講できますが、今回の聞茶大会の最大の魅力は、普段台湾に行ってもなかなか聞くことの出来ない方々のお話が聞けたことでしょう。 その方々とは、台湾行政院農業委員会茶業改良場場長の"林 木蓮"さん、同じく茶業改良場凍頂工作站主任で台湾茶品表委員長の"郭 寛福"さん、そして凍頂工作站技師の"張 登雁"さんがこの大会のためにわざわざ来日して、講習会の講師を務めたということでしょう。特に、郭 寛福さんは実際に16種類のお茶のテイスティングの方法を細かく指導してくれました。 ■ 初級はどんな内容だったの? 初級講座は、台湾南投縣農会東京事務所代表の"林隆盛"さんが約1時間ばかり台湾茶の基礎を講義されました。林さんは日本でも南投縣農会の茶を販売していますので、その説明振りは非常に上手で、聞いている人を全く飽きさせませんでした。 お話してくださった内容は、台湾茶の歴史、産地や茶の種類、お茶を淹れるときの道具や使い方など、「台湾茶のいろは」でした。これから台湾茶を知りたいという方には非常に手ごろな講義だったと思います。 その後、会場を変えスタッフの方々が工夫茶器を使って一つのお茶を淹れてくれるのを見学。実際に聞香杯(もんこうはい)を使って愉しむことができました。 さらに、もう一箇所では、8種類のお茶をあらかじめ飲んで確認した後、覆面の2種類のお茶を当てるというもの。普段台湾茶を飲みなれている人には、比較的簡単な聞茶でしたが、結構みなさん楽しまれていたようです。 1 / 2 次へ>> 12次のページへ