中国茶/中国茶関連情報

台湾茶協会の聞茶大会(2ページ目)

2003年4月5日,6日と「聞茶」大会が開催されました。私も生徒として参加して来ましたので、そのときの様子などご紹介しましょう。

執筆者:平田 公一



■ 中上級の講義は? 一方中上級のカリキュラムは、初級者よりもかなり専門的な内容の2つのパートに別れた講義と実技で組まれていました。

まず、林場長が「台湾茶の現状」について、生産、品質管理、台湾茶の将来などをスライドを使って約40分講義をしてくださいました。

2002年には台湾全体の茶面積は約1万9千ヘクタールで1万9千トン。そのうちの約13%を日本とアメリカに輸出しているのだそうです。残りは国内消費。一人の年間のお茶消費量はなんと1.3kg。最近では健康ブームもあり、有機農法も導入されているそうです。

台湾のお茶の主たる品種は青心烏龍種(50%以上)、青心大有、硬紅などで、さらに積極的に品種改良が行われており、台茶12号(金萓)、13号(翠玉)四季春などが有名になりましたが、最近でも1999年に台茶18号(紅宝)という紅茶用の品種が開発されています。一つの品種を作り上げるまでに最短で21年も係るそうです。ちなみに金萓、翠玉は43年、紅宝はなんんと53年もかかったそうです。

そんな台湾茶の現状をお聞きしたあと、続いて郭主任が同じくスライドを利用して台湾茶の分類、烏龍茶の製茶法の概要を簡単に説明。その後に、実際に茶葉の官能品評方法を部屋を換えて教わりました。

■ 実際の聞茶とはどんなことをやったの?
まず、品評の基本は、茶葉のサンプルのなかから3gの茶葉を取り出すことからスタートします。鑑定用の茶器に茶葉を入れて150ccの湯を注ぎそのまま蓋をして5~6分待ち、その後品評茶碗に茶湯を入れスプーンで茶湯をかき混ぜ、茶湯色や茶渣がよく見える様にします。別途茶葉はお皿に入れてその形や姿が見られるように用意されます。

こうして用意された8種類の茶(武夷、台茶18号、四季春、翠玉、青心烏龍、青心大有、金萓、香縁)をテストして、ブラインドされた同じお茶を当てる聞茶が行われました。微妙にその違いが体感できてとても面白い体験でした。残念ながら私は四季春と青心烏龍を逆にしてしまいました。

その後、同じようにお茶が用意され、今度はそれぞれのお茶を外観、水色、香り、滋味、茶殻などを確認しながらA,B,Cの3段階に評価します。使われたのは青心烏龍3種類、金萓4種類、翠玉1種類の合計8種類。同じ品種でも味も香りも全く異なっていて、結局はどれが好きかという基準で選ぶしかないのですが、「フレッシュ」であることの評価が非常に高くて、新鮮味に欠けると評価が低いというのが先生方の基本的なスタンスでした。私の評価は金萓茶の評価が明らかに低いので、笑ってしまいましたが・・・。フレッシュであるかどうかの判断は、やはりもっともっと台湾茶を飲みこなさないと判断が難しそうです。

■ 聞茶大会に参加した人の感想は?
何人かに聞茶大会の後にインタビューしてみましたが、みなさん同じにおっしゃってたのが、「中級コースは時間が足りなかったので、今度は一日コースにして欲しい」ということ。これは私も感じました。もう少しじっくりとお茶一つ一つの違いや先生の言うフレッシュさというものがどういうものなのか、体感してみたかったですね。

また、「品評用の入れ方って、美味しい入れ方ではないってことが良くわかった」という声もありました。確かにお茶の良し悪しは、一定の決められた方法で入れたお茶を用いないと平等に評価はできないのでしょう。特に嗜好品の場合、如何しても評価する人の嗜好が影響してしまいますから、基準が必要になりますね。したがって、お茶にあった入れ方というものはここではオミットせざるを得ないことになります。それでも、このように評価されたお茶は、多くの場合そのお茶にマッチした淹れ方した場合、美味しく入るお茶になるというところが、品評する人たちのすごさだなあと感じました。

さらに、「受講料が高いと思ったけれど、こんな人たちを呼んできたのだから仕方がないなと思った」という声も聞かれました。3名の先生方の交通費、宿泊費、謝礼などを考えると、バックアップ企業がついていない状況の中では、中上級講座が18900円というのはやむを得ない金額でしょう。確かにもう少し安ければ、さらに受講者が増えただろうとは思いますが。

■ 今後の台湾茶協会に望むことは?
引き続き、様々なイベントや情報提供を継続的に行うことで、台湾茶好きをどんどん増やして欲しいところです。折角、台湾から先生方を呼んでこられる実力がある団体なのですから、さまざまな情報収集提供、イベント企画、そしてお茶会バックアップなど、多彩な活動を続けて欲しいとおもいました。継続は力なり。少しずつで良いので継続的に情報発信するところから、活動を続けて欲しいものだと思います。頑張れ!台湾茶協会。




■ 台湾茶協会 http://www.jtci.co.jp/TCA/index.html


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