「2008年印象に残ったパン」シリーズの最終回。9月から12月、取材先などで出合い、とくに印象に残ったパンをまとめてご紹介します。

アール・ドゥ・パンのスブロート

「2008 タカシマヤ フランス展」に出店していたアール・ドゥ・パンで、好みのシンプルなパンに出合いました。 「スブロート」とは小銭で買えるパン、という意味だそう。パリっと焼けた薄皮の中身には美しい気泡のある生地。最近では多くの人に愛される無成形のフランスパン、リュスティックのように、しっとり、もっちりとした食感が素晴らしいパンでした。

スブロート

アール・ドゥ・パン(2008)

ブレッド&サーカスのスイートビアンコバケット

ブレッド&サーカスのパンを食べていると、遠い国に旅をしている気持ちになります。初めての味、だけれどどこか懐かしい。その国の人々が毎日のように、何十年も食べ続けている食事を一緒に楽しませてもらうような。昨年企画した冬のお取り寄せセットに入っていた新作、スイートビアンコバケットは砂糖、卵、牛乳が少しずつ入っているところなど、ありそうでないパンです。さまざまな食べ方を許容する懐の深い味がします。

スイートビアンコバケット

ブレッド&サーカス(2006)

シニフィアン・シニフィエのメープルのパン

クインビーガーデン メープルスイーツコンテストのレセプションで、審査員を務めたシニフィアン・シニフィエの志賀さん自らがメープル素材を使用してつくったパンを披露してくれました。 「栗とメープルのチャバタ」はいかにも志賀さんらしい、粉対比93%という水分量の、流れるような生地に、フランス産のマロングラッセとイタリア産の焼き栗をふんだんに巻き込んだパンでした。 「ブリオッシュのテリーヌ風」はメープルシロップに浸したパンのかけらを ブリオッシュ生地に包んで型に入れたもの。商品化が待たれます。

栗とメープルのチャバタ(上)、ブリオッシュのテリーヌ風(右下)

シニフィアン・シニフィエ(2006)